【初心者でもできる】SEOのプロがやっているキーワード選定の手順とツールを解説

更新日:/公開日:2021年07月24日

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この記事の執筆者
溝口弘貴
つなぐマーケティング代表

Webマーケターの溝口(@mizo_marketer)です。

キーワード選定は、SEOに携わっている方やコンテンツディレクターをされている方なら、一度はやったことがある業務の1つかと思います。

しかし、キーワード選定の正しいやり方が分からず何となくキーワードを選んでしまったり、コンテンツを作ってみたけど期待した成果を得られず悩まれてる方も多いかと思います。

この記事では、私がいつもやっているキーワード選定のやり方について、実際にキーワード選定を行いながら解説していきます。

私が使っているSEOツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

キーワード選定とは?SEO対策におけるキーワード選定の重要性

キーワード選定とは、SEO集客を行う際に上位表示を狙う検索キーワードを決める業務のことをいいます。

キーワード選定は、集客すべきユーザーや作るべきコンテンツ、またその優先順位など、コンテンツを作っていく上での方向性や戦略を決める重要なプロセスです。

コンテンツを作る目的は、ほとんどの場合が見込み客や潜在層の集客になるので、キーワード選定を間違えると期待していた成果が得られない可能性が高くなります。

【キーワード選定を間違えた場合に起こりうる問題】

  • 流入は増えたけどCVが全然発生しない。
  • 競合性が高いキーワードばかり狙っていて、検索上位が全然取れない。
  • 検索ボリュームが少ないキーワードばかり選んでしまったため、流入が全然増えない。
  • キーワードを細かくしすぎて内容の薄いコンテンツが増えてしまった。
  • ユーザーにとって必要なコンテンツが抜けている穴だらけの(ユーザーのニーズが満たせない)サイトになってしまう。

自社の目的を果たすためには、適切なキーワード選定を行い、狙ったユーザーを集客する必要があります。

次の章では、最初に知っておくべきキーワードの基礎知識について解説いたします。

すでに「知っている」という方は、飛ばしていただいても構いません。

キーワード選定をやる前に知っておくべきキーワードの種類と意味

ひとまとめにキーワードと言われることが多いですが、ユーザーの検索ニーズによって様々な種類に分けられます。

キーワードの種類とそれぞれの意味について説明したいと思います。

検索ボリュームからみたキーワードの種類

ユーザーが何かしらの情報を調べようとしてGoogleやYahooなどでキーワード検索をするとき、「海外旅行」のような1語(単一キーワード)で検索したり、「海外旅行 〇〇〇」「海外旅行 〇〇〇 △△△」のような複合キーワードだったり、または音声入力を使って「海外旅行で安くておすすめの国教えて」といった話し言葉で検索することもあります。

これらのキーワードが月間に検索される想定数をGoogleが出しており、月間検索ボリュームの大きさから「ビッグ・ミドル・スモール」の3つに分けられます。

  • ビッグキーワード
  • ミドルキーワード
  • スモールキーワード(ロングテールキーワードとも言う)

それぞれの特徴について解説しますが、ミドルは単純にビッグとスモールの中間のキーワードになるので説明は省かせていただきます。

ビッグキーワード

ビッグキーワードとは月間検索ボリュームが大きいキーワードのことを指し、明確な定義はないものの10,000を超えるキーワードはビッグキーワードと呼ばれます。

単一キーワードは必然的に検索ボリュームが大きくなるのでビッグキーワードになりますが、複合キーワードでも1万を超える場合はビッグキーワードと呼びます。

【ビッグキーワード例】

  • 海外旅行(Vol.60,500)
  • 転職エージェント(Vol.40,500)
  • 中古車 おすすめ(Vol.18,100)

ビッグキーワードで検索上位を取ることができれば多くの流入が見込めますが、サイトの評価を高めないと順位を上げるのは難しいですし、コンテンツの作り方の難易度も上がります。

スモールキーワード(ロングテールキーワード)

スモールキーワードはロングテールキーワードとも言われ、月間検索ボリュームが1,000未満のキーワードのことを指します。

ロングテール(長いしっぽ)の由来は、商品毎の販売数を左から多いもの準に並べたグラフを作ったときに、特定の売れ筋商品の販売数より、販売数が少ない商品の販売数合計のほうが全体の割合を占めていたことからそう呼ばれるようになりました。

つまり、CV数が多く発生するキーワードで上位表示させるのと同時に、月に数件程度でもCVが発生するページを多く作っていくことも重要だということです。

ロングテールキーワードは3語以上のキーワードが増えてくるため、ユーザーの検索ニーズが明確になっていることも多く、コンテンツは比較的作りやすいですし、検索ボリュームが少なくてもCVを獲得できる可能性はあります。

【スモールキーワード例】

  • 海外旅行 保険 クレジットカード(Vol.720)
  • 海外旅行 保険 選び方(Vol.90)
  • 海外旅行 保険 子供(Vol.50)

関心度の高さからみたキーワードの種類とユーザー層

ユーザーが、どれだけ商品やサービスに関心を持っているかという点からみたキーワードの種類について説明をしていきます。

ちなみに「クエリ」という言葉が出てきますが、クエリとはユーザーが実際に検索窓に入力した検索語句のことを指します。

キーワードとクエリは、広告運用等をしている場合に使い分けされますが、一般的にはほとんどされていないと思います。

Goクエリ(行きたい)

Goクエリはナビゲーショナルクエリ(案内型クエリ)とも言われ、訪れたい特定のサイトが決まっていて、サイト名やサービス名など指名ワードを含むキーワードのことです。

【Goクエリ例】

ユーザー層でいうと明確層になり、会社名や商品名などが含まれている場合は関心度が高く、購入に至る可能性が高いユーザー層になります。

指名ワードを含む検索結果は公式ホームページが上位に表示される場合が多いですが、他社の商品を紹介するアフィリエイトサイトなら3位以内が取れれば成約する可能性は高くなります。

Doクエリ・Buyクエリ(したい・買いたい)

Doクエリはトランザクショナルクエリ(取引型クエリ)とも言われ、ユーザーが「資料請求したい、ダウンロードしたい、会員登録したい」など何らかの取引や行動がしたいという思惑が含まれるキーワードになります。

Buyクエリ(買いたい)はDoクエリの中に含まれます。

【Doクエリ・Buyクエリ例】

ユーザー層は顕在層になり、悩みの解決方法が明確であり購入を前向きに検討していて、良い商品やサービスがあれば購入したいと考えています。

キーワードによってはビッグキーワードになる場合もありますし、スモールキーワードでもCVが取れる可能性が高いため、積極的に狙うべきキーワードになります。

Knowクエリ(知りたい)

Knowクエリはインフォメーショナルクエリ(情報収集型クエリ)とも言われ、興味を持っていることに対して知識レベルの浅いユーザーが「知りたい・情報収集をしたい」と考えているクエリになります。

【Knowクエリ例】

Knowクエリのユーザー層には準顕在層と潜在層がいます。

準顕在層は悩みを抱えているものの、まだ解決方法が分かっていないユーザーで悩みの解決方法について情報収集をしており、場合によってはCVする可能性もありますし、いずれCVする見込み客になる可能性があるユーザーです。

一方で潜在層は現状悩みを抱えておらず、気になることやちょっと知りたいことなどを検索しているユーザーのため、CVする見込みは低いと考えておいたほうがよいでしょう。

プロが実践しているキーワード選定の5つの手順

ここからは私がやっているキーワード選定のやり方について、ウォーターサーバーを紹介するサイトを作ったと仮定して、実際にキーワード選定をやりながら説明していきます。

キーワード選定の手順としては以下の5つになります。

  • ①調査する競合サイトを決定する
  • ②ツールを使って競合サイトのキーワードを調べる
  • ③主軸となるキーワードを決めキーワードを洗い出す
  • ④キーワードをカテゴリー分けする
  • ⑤キーワードの優先順を考える

調査する競合サイトを決定する

自社のキーワード選定を行う上で、競合サイトが狙っているキーワードが分かればとても参考になります。

Ahrefs(エイチレフス)というツールを使えば、競合サイトがどういうキーワードで検索にヒットしているのかというのが分かります。

しかし、やみくもに多くのサイトを調査していては無駄に労力がかかってしまうため、「ウォーターサーバー」関連キーワードで強いサイトを5つほど選びます。

いくつかウォーターサーバー関連のknowクエリでGoogle検索をしてみて、上位にいるサイトをピックアップし、インデックス数やahrefsのヒットキーワード数、想定検索トラフィックなどから選定していきます。

私が選んだサイトは下記5サイトになります。

  • うるのん
  • アクアくらら
  • ミズラボ
  • 水チェキ
  • ミズコム

ツールを使って競合サイトのキーワードを調べる

再度ahrefsで対象サイトを調べて、15位以内のオーガニックキーワードをエクスポートしていきます。

どうして15位以内のキーワードだけかというと、ahrefsはサイト運営者が意図せず検索にヒットしてしまっているキーワードも多く検出しているので、無駄なキーワードを省くためです。

エクスポートしたキーワードをエクセルで1つにまとめ、重複を削除すると7,351キーワードが出ました。

まだキーワードが多いので、検索ボリュームが100以上にソートをかけると2,708キーワードが残りました。

参考資料:ahrefsキーワードまとめ(Googleスプレッドシート)

このキーワードをそのまま使うわけではありませんので、次からが大事です。

主軸となるキーワードを決めキーワードを洗い出す

まとめたキーワードの傾向を見た上で主軸となるキーワードを決め、自分で掛け合わせを作ったり、関連キーワードを広げていきます。

「ウォーターサーバー」と「商品名」がよく使われている単語なので、主軸にできると思います。

またウォーターサーバーとは少し離れますが、お水に関する知識や、炭酸水、ミネラルウォーターを紹介したり、美味しい水を使ったコーヒーやお茶、食べ物などの掛け合わせもありました。

ウォーターサーバーの販売やレンタルをしている会社は、ほとんどがミネラルウォーターの定期販売(サブスク)をしているため、お水に関連する記事から潜在層に向けてウォーターサーバーの認知を行っているのかもしれません。

キーワードを広げすぎると複雑になりそうなので、今回は主軸を「ウォーターサーバー、商品名」だけに絞りたいと思います。

主軸キーワードが決まったら、キーワード取得ツールでも主軸の掛け合わせキーワードを出しておきましょう。

おすすめのキーワード取得ツールは「Keyword Tool」「キーワードプランナー」があります。ツールについては最後に紹介しています。

このキーワードを一度別シートにコピペして、主軸キーワードを削除し再度重複を削除します。

こうすることで、「ウォーターサーバー 卓上」「卓上ウォーターサーバー」のような単語が前後している重複が削除できます。

さらに目視で不要なものは削っていってください。

キーワードをカテゴリー分けする

主軸キーワードがカテゴリーになることが多いのですが、カテゴリー分けについてもう少し詳しく説明したいと思います。

カテゴリー分けを行う主な目的は、以下になります。

  • キーワードのモレダブりをなくせる
  • コンテンツが管理しやすくなる
  • ユーザーニーズに沿ったサイト設計にできる

キーワードをカテゴライズしておかないと、後々キーワードの管理が大変になり、モレダブりが発生する可能性が高くなります。

また、サイト設計上もカテゴリーごとにコンテンツを分けることでユーザーが目的のコンテンツを探しやすくなります。

今回は主軸が少ないため、ウォーターサーバーというキーワードの中でカテゴリーを考えたいと思います。

ざっと見た感じですが、以下の6つに分けることができました。

  • 単一キーワード
  • 基礎知識(購入前)
  • 基礎知識(購入後)
  • 選び方
  • 地域名
  • 商品名

参考資料:キーワードカテゴリー(Googleスプレッドシート)

MECE(モレなく、ダブりなく)を意識して、自分で考えてみてください。

私が選定したキーワードは227キーワードになりました。

ジャンルによっては数千から1万を超えるキーワードが出ることもあります。

以前グルメ検索サイトでキーワード選定を行ったときは、5カテゴリーで8,683キーワードほど出しました。

キーワードの優先順を考える

最後にキーワードの重要度や検索ボリュームなどから、作っていくコンテンツの優先順を考えていきます。

毎月コンテンツにかけれる予算や人的リソースなどは企業によって異なりますので、月に100本でも作れるという企業から数本しか作れないという企業もあります。

いずれにしろ、何のコンテンツから作っていくのか優先順は考えておいたほうがよいでしょう。

売上やお問い合わせ(資料請求)を増やしたいという気持ちはよく分かるのですが、Doクエリ・Buyクエリは当然競合サイトも狙っているため競合性が高くなります。

Doクエリ・Buyクエリばかり狙った記事を作ったとしても、簡単には上がってきませんし、ユーザーのニーズを満たしたサイトとも言えません。

特に、立ち上げたばかりのサイトではサイトのパワーを上げていくことも必要です。

コンテンツでサイトのパワーを高める方法としては、以下のような方法があります。

  • ウォーターサーバー関連キーワードでの上位表示を増やす
  • ユーザーアンケートや著名人とのタイアップ記事を作って有料プレスリリースを出す
  • 面白系やニュース系コンテンツを定期的に作りSNSで配信する
  • ①②③によって被リンクやサイテーションを増やす

私がやる場合ですが、まずユーザーとって必要度が高いKnowクエリ系のコンテンツから作っていきます。

例えば下記のようなコンテンツです。

  • 「ウォーターサーバー メリット(Vol.1,300、競合性:低)」
  • 「ウォーターサーバー デメリット(Vol.880、競合性:中)」
  • 「ウォーターサーバー 必要(Vol.720、競合性:高)」
  • 「ウォーターサーバー コスパ(Vol.720、競合性:高)」
  • 「ウォーターサーバー 解約(Vol.480、競合性:低)」
  • 「ウォーターサーバー 衛生面(Vol.210、競合性:中)」

検索じゃなくても見込みユーザーがサイトに入ってきたときに、ユーザーにとってニーズが高いコンテンツを作っておくことで、有益なサイトになっていきます。

なるべくここの穴を埋めていくようにコンテンツを作りましょう。

Doクエリは最初にいくつか作っておいてもよいと思います。

  • 「ウォーターサーバー 比較(Vol.12,100、競合性:高)」
  • 「ウォーターサーバー おすすめ(Vol.6,600、競合性:高)」

検索ですぐに上位を取るのが難しくても、内部リンクでCVページへの導線を作ってCVへ導くことは可能です。

検索でのヒットキーワード数を増やすために、競合性が低~中でなるべくボリュームが大きめのKnowクエリも狙っていきます。

  • 「ウォーターサーバー 仕組み(Vol.590、競合性:中)」
  • 「ウォーターサーバー アース線(Vol.320、競合性:中)」
  • 「ウォーターサーバー 詐欺(Vol.260、競合性:低)」

また、ユーザーアンケートに基づいた記事や企画系の独自コンテンツは、キーワードで上位表示を狙うものではありませんが、被リンクやサイテーションを受けやすいので、定期的に作って有料プレスリリースやSNSで配信を行ってみましょう。

キーワード選定を行う上での注意点

キーワード選定を行う上で、私が注意してることについて解説いたします。

キーワード選定は数ヶ月分まとめて行う

キーワード選定を行うとき、毎月キーワードを考えているという人も多いのではないでしょうか。

毎月キーワードを決めていると、キーワード選定が煩雑になってしまいますし結構面倒です。

私がキーワード選定を行うときは、3ヶ月に1回まとめて決めています。

リソース的に月に作れる記事が15記事だとすると、45記事分になります。

イレギュラーが発生したり、SEO記事以外の企画記事もあると思いますので、それは都度考えていけば良いかと思います。

キーワードをスプレッドシートなどで管理する

対策キーワードをGRCやその他順位取得ツールの中だけで管理されている方も多いと思います。

ツールによっては見やすいものもあるかもしれませんが、スプレッドシートで管理したほうがチーム内への共有ができますし、自分でカスタマイズしたりソートをかけて見やすく管理ができます。

私の場合は下記項目でまとめています。日付は横軸に追加されていくイメージです。

  • キーワード
  • 検索ボリューム
  • キーワードカテゴリー
  • ヒットURL
  • アップ日/リライト日
  • 経過日 ※アップ日からの
  • 日付(4/1、4/15、5/1)

検索順位を定期的に観測する

記事をアップしたら順位は定期的にみていくようにしましょう。

上記記載のスプレッドシートへの記録は月2、3回程度で良いかと思います。日々の確認は順位取得ツールで見れば十分です。

記事をサイトへアップしてから、長くて2ヶ月ぐらい順位変動が起こる場合がありますが、1ヶ月半以上変動がない場合はそれ以上順位が上がる可能性は低いので、場合によっては追加コンテンツ、記事構成の見直しを考えましょう。

キーワード選定におすすめの3ツール

私が使っている、キーワード選定やSEOに役立つツールを紹介いたします。

ahrefs(エイチレフス)

ahrefsはSEOツールとして有名なツールで、私は4年ぐらい利用しています。

主に競合サイト調査や競合サイト比較、キーワード選定を行う際に使っています。

ahrefsは有料ツールで4プランありますので、まずはライトプランから使ってみるとよいでしょう。

使ったことがない方は、ぜひ利用してみてください。

Keyword Tool

Keyword Toolはキーワードを入力すると、「Google・Youtube・Bing・Amazon・eBay・Play Store・Instagram・Twitter」のサジェストキーワードと検索ボリューム、トレンド性、競合性、CPCを取得し、エクセルかcsvでエクスポートできるツールになります。

Googleだけじゃなく、YoutubeやTwitterの検索キーワードも取得できるというのが魅力のポイントですね。

無料でも利用できますが、無料だと見れる範囲に制限があるため、有料版をおすすめします。

Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは言わずもがなですが、Google広告が提供しているキーワード候補取得ツールで、関連キーワードを出してくれたりキーワードの検索ボリュームや競合性を見ることができます。

無料で利用はできますが、Google広告を配信していない場合は検索ボリュームがおおよその数値でしか表示されません。

最後に

キーワード選定の重要性ややり方についてお分かりいただけたでしょうか。

この記事を参考にしていただき、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

私のTwitterアカウント(@mizo_marketer)とこのnoteでWebマーケティングに関する情報を発信しておりますので、ぜひフォローもいただければ嬉しいです。