個人事業主が経費にできるもの・できないもの一覧|確定申告の勘定項目や税金対策を解説
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起業して個人事業主になったら、日ごろから「経費」のことを考えるように習慣づけていかなければなりません。
正しく、そして漏れなく経費を計上することは、結果として手元に残るキャッシュを増やすことにつながるからです。
そのためには、個人事業主の支出のうち経費にできるものの範囲はどこまでなのかを正確に理解しておく必要があります。
個人事業主が「経費」として計上できる支出の種類の基本を紹介しながら、経費にできるもの・できないものの違い、確定申告の勘定項目、税金対策などを解説しましょう。
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溝口 弘貴
つなぐマーケティング代表
電気工事士からWeb業界に転職して10数年。現在はフリーランスとしてクライアントサイトのマーケティング支援や自社メディアの運用などをおこなっています。ネットマーケティング検定やIMA検定などIT関連の資格を8つもっています。運営者情報はこちら
本記事でわかること
個人事業主にとって経費とは?経費の基礎知識
事業における「経費」とは、その事業を遂行するために支出する費用を指します。
事業を進めるうえで必要なあらゆる支出は経費として認められますが、言い換えれば事業に必要だといえない支出は経費として認められません。
これまで、会社員として働いていたなら、経費はすべて会社が出していたので、どんな支出が経費にあたるのかを深く考えてはいなかったという方が多いでしょう。
たとえ一時的に自分が負担した場合でも、領収書などを提出すれば清算されて手元に返ってきていたはずです。
しかし、個人事業主として起業したからには、自分で経費を支出し、管理していく必要があります。
経費として認められる基準とは?
基本的な考え方として、事業を進めるうえで必要な支出はすべて経費となります。
この点は、個人事業主でも、法人でも変わりはありません。
肝心なのは、どこからどこまでが「業務上必要だ」といえるのかという点です。
この点について、国税庁は次のような見解を示しています。
- 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
- その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
とくに個人事業主は、ビジネスと生活が密接に関係しているケースが多々あります。
たとえば、営業に飛び回るとしても、事業用に別の車を用意できなければ自家用車を使うことも多いはずですが、ガソリン代やタイヤ・オイル交換の費用といった維持費について、どこまでが「業務上必要」といえるのかの判断は難しいところです。
事業の内容やビジネスの手法によって、経費になる・ならないの基準は大きく異なります。
自分では「事業に関連した支出だ」と考えていても、客観的な合理性がなければ税務署が経費として認めてくれないかもしれません。
領収書やレシートといった証拠を保管するのは当然ですが、個人事業主の方はさらに日報や手帳などにいつ、どのような理由で、どんな支出をしたのかといった補強的な記録を残しておく必要があります。
経費として計上できる金額に上限はない
会社員として働いていたころは、経費としての請求に「月額〇円まで」といった制限があったかもしれませんが、個人事業主の経費計上に上限はありません。
実際に事業遂行のうえで必要となって支払ったものであれば、たとえ売上を超える金額だったとしても経費として認められます。
売上よりも経費のほうが大きくなり、利益が得られなかった状態が、いわゆる「赤字」です。
もちろん、上限額がないからといって、本来は経費として認められない支出を計上していれば名費の水増しにあたります。
税務署から指摘を受けると、正規の税額に加重されて徴税を受けるので、厳に慎まなければなりません。
個人事業主が経費として計上できるものとは?費用に関する勘定科目
個人事業主が経費として計上できる支出の基準は「業務上必要かどうか?」です。
しかし、この考え方に頼るだけでは何が必要で何が不必要なのかが曖昧で、正しい経費計上は難しくなります。
そこで登場するのが「勘定科目」です。
そもそも勘定科目とは?
勘定科目とは、会社や個人事業主の取引で発生する入出金を仕訳けるための見出しのようなものです。
出入りするお金を勘定科目ごとに仕訳けることで、会計上の管理が明確になります。
勘定科目には、法律などによるルールがないので、自由に設定可能です。
ただし、個人事業主でも「青色申告」による確定申告をする場合は、貸借対照表の提出が必須なので、貸借対照表に求められる資産・負債・純資産・収益・費用に対応した項目を設定しなければなりません。
経費として計上できるもの一覧
経費として計上できる一般的な勘定科目を挙げていきましょう。
租税公課
事業に関して納めた税金を指します。
個人事業主の場合は個人事業税・消費税・地方消費税、事業用として取得した土地・建物の固定資産税・印紙税・不動産取得税、事業用車両の自動車税・自動車重量税・自動車取得税などが考えられるでしょう。
なお、所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金保険料は租税公課に含まれません。
これらは、個人事業主が「個人」として納めるもので、事業上の経費とはいえないので注意が必要です。
仕入(仕入高)
商品の仕入のための支出です。
ただし、経費として計上できるのは売上に対する原価としての部分に限られます。
まだ売上につなかっていない仕入は原価とはいえないので、余剰在庫分の仕入高は経費に含まれません。
広告宣伝費
商品やサービスを多くの消費者に対してアピールするために支払った宣伝広告費も経費への計上が可能です。
テレビやネットのCM、チラシ、ポスターのほか、配布用のカレンダーなど販促物の購入も宣伝広告費に含まれます。
なお、宣伝広告費を計上できるのは、支払日ではなく掲載日を基準とするので注意しましょう。
外注工賃
外部の業者に作業を発注した場合に支払った代金や報酬です。
ロゴなどのデザイン費用や商品のネーミング、キャッチコピーの考案、サイトの作成費用などが考えられます。
弁護士や司法書士、税理士、公認会計士などに支払う報酬は外注費ではなく支払手数料として計上します。
地代家賃
事務所や倉庫、駐車場などを事業のために借りた場合は、家賃・賃料の支払いを地代家賃として計上します。
管理費・共益費のほか、20万円未満の契約更新料・礼金も計上可能です。
個人事業主の場合は、自宅兼事務所で稼働するケースも少なくありませんが、実際に事業のために使用している部分の割合に応じて「家事按分」することで経費として計上できます。
水道光熱費
事務所などで使用した水道・電気・ガスなどの費用も水道光熱費としての計上が可能です。
ただし、事務所などの水道光熱費がすべて経費になるのではなく、あくまでも事業上の必要性に照らして判断されます。
また、自宅兼事務所の場合も、すべての経費計上するのではなく、実際に事業で使用している割合に応じて按分しなければなりません。
この点の考え方は地代家賃と同じです。
通信費
電話代やインターネットの回線費用は通信費としての計上が可能です。
ダイレクトメールの郵送費、パンフレットなどの配送費用も通信費として計上します。
私用の携帯電話・スマホを事業にも使用している場合は、全額を計上するのではなく合理的な割合で按分しなければなりません。
消耗品費
オフィス用品などのうち、10万円以下の物品購入は消耗品費として計上します。
筆記用具やコピー用紙など、机や椅子、キャビネットなどのほか、10万円未満のものであればパソコンやプリンターの勘定科目も消耗品費です。
取材費
コンテンツ作成などのために取材が必要になった場合は、取材に応じてもらった謝礼や交通費などを取材費として計上します。
なお、重複計上しない限り、取材の際に喫茶店やレストランなどを利用した際の飲食代は接待交際費に、取材先への交通費は旅費交通費としての計上でも問題ありません。
旅費交通費
営業や取引先との打合せ、出張などに要した交通費です。
電車や飛行機、タクシーなどの運賃のほか、事業の用務で自動車を使用した際のガソリン代や高速道路の料金などが挙げられます。
また、出張の際のホテル宿泊費も旅費として計上可能です。
取材の際の交通費を旅費交通費として計上することも可能ですが、取材費と重複しないように気を付けましょう。
新聞図書費
個人事業主がビジネスを進めていくなかで、資料収集のために書籍を購入した、業界紙を購読した、有料のメールマガジンに登録したといった場合は、その支出を新聞図書費として計上できます。
事業に無関係な書籍や新聞などの費用は計上できないので注意しましょう。
接待交際費
取引先との会合で負担した飲食代、取引先へと贈った中元や歳暮などの贈答代、慶弔見舞金などの勘定科目は接待交際費です。
当然、事業に関係のない飲食代などは計上できないので注意が必要です。
個人事業主の経費としてはとくに税務調査で指摘されやすい勘定科目なので、不正をはたらかないのはもちろん、指摘を受けた際に合理的な説明を尽くせるように支出時の状況などを記録しておくことをおすすめします。
修繕費
事務所の修繕費や自動車の修理代などは修繕費として計上します。
似た性質のものとして、マンションなどの修繕積立金がありますが、修繕積立金は将来の修繕に向けた積立であり実際には修繕のために支出したわけではないので経費として計上できないのが原則です。
荷造運賃
商品を梱包するために購入した段ボール箱やテープ、緩衝材などの荷造費、運送業者に依頼した際の運賃などは、荷造運賃として計上します。
消耗品費・通信費としての計上も可能ですが、運送コストを明確にするためには荷造運賃として計上したほうがよいでしょう。
車両費
事業の用務で使用した自動車の維持費です。
ガソリン代・高速道路の料金などの日常的な支出のほか、車検費用や登録費用なども車両費として計上できます。
旅費交通費や消耗品費との重複に気を付けましょう。
賃借料
打合せのための会議室・レンタルスペースの使用料、レンタカー料金、事務機器やイベント機材のリース料などは賃借料として計上します。
レンタル・リースの賃借料は1か月ごとに計上するのが原則です。
年間契約などの場合は一度に大きな金額を支払うことになりますが、まだサービスの提供を受けていない将来の部分まで計上することは認められません。
年間契約などの賃借料をまとめて計上できる短期前払費用という勘定科目も存在しますが、対象となるのは法人だけで、個人事業主は利用できないので注意しましょう。
損害保険料など
事務所や倉庫などの火災保険料、事業用自動車の自動車保険、機器・機材の損害保険料なども経費として計上できます。
なお、事務所や自動車などが事業とプライベートの両方にかかる場合に経費として計上するには、割合に応じて按分しなければなりません。
雑費
勘定科目に一定のルールはありませんが、ここで挙げたどの項目にも該当しない支出は雑費として計上するのが一般的です。
オフィス用品の購入や書籍の購入、士業サービスを利用した場合の報酬など、ほかの科目で計上できるものでも頻繁に発生しない場合は雑費として計上したほうが経理がすっきりとするかもしれません。
一方で、詳しい仕訳をせずに何でも雑費にしていると、なにに、いくらの経費がかかっているのかが見えにくくなります。
頻繁に発生する支出は、ここで挙げた勘定科目に該当しないものでも別途科目を設けて計上したほうが賢明でしょう。
10万円以上のものは「減価償却費」とする
業務で使用する資器材などでも、購入額が10万円以上の物は一度に計上せず、耐用年数に従って分割して計上します。
これを「減価償却」といい、経費として計上する場合は減価償却費に仕訳けるのが原則です。
耐用年数は法律で決められており、たとえば10万円以上のパソコンを購入した場合は4年に分割して計上します。
なお、10万円以上20万円未満の資産は「一括償却資産」として3年均等で、10万円以上30万円未満の資産は「少額減価償却資産」として一括または3年均等での償却が可能です。
従業員を雇っている場合に経費として計上できるもの
従業員を雇用している場合は、さらに次の支出も経費として計上可能です。
給与賃金
従業員に支払った毎月の給与や賞与は給与賃金として計上します。
なお、事業主自身への給料は事業主貸、家業を手伝う家族・親族に支払った給料は専従者給与となり、給与賃金とは異なる処理が必要です。
福利厚生費
従業員の健康診断の費用や慶弔見舞金の支給、事業主の負担で開いた従業員の会合の飲食代などは福利厚生費として計上可能です。
また、従業員の健康保険料や労災保険料、雇用保険料などは半額を事業主側が負担することになりますが、別途「法定福利費」として計上できます。
事業とプライベートで兼用している費用を経費にできる家事按分の算出方法
個人事業主の経費を考える際にもっとも難しいのが、事業とプライベートで兼用している部分の支出です。
とくに、店舗や事務所を必要とせず、パソコンとインターネット環境さえあればどこでも仕事ができるWeb関連の事業で起業した方なら、自宅の一室を仕事部屋として使用するケースも多いでしょう。
すると、家賃や光熱費といった支出は、どこからどこまでが経費になるのかの判断が難しくなります。
ここで登場するのが「家事按分」という考え方です。
家事按分とは、事業とプライベートで兼用している部分の支出について一定の比率に基づき「分ける」ことを意味します。
事業費と生活費が混在している支出も、この方法を用いれば部分的に経費として計上可能です。
家事按分をする際には、支出ごとに「按分比率」を決めたうえで、比率に応じて経費を算出します。
按分比率に決まりはないので自由に決めても問題はありませんが、なぜその比率になるのかを客観的に示す必要があるので注意が必要です。
家賃
自宅兼事務所としてマンションなどの物件を使用している場合は、物件の総床面積に対して仕事で使用している床面積の割合で按分するのが一般的です。
たとえば3LDK・70平方メートル・月々の家賃が15万円の物件で、8畳・約15平方メートルの一室を仕事に使用していた場合は、総床面積に占める仕事部屋の割合が約20%なので、15万円×20%=3万円を毎月の経費として計上できる計算になります。
ただし、実際には仕事中も別室や共用部分を使用することは少なくないので、おおむね50~60%を限界として按分割合を決めるのが現実的です。
なお、住宅ローン返済については、利息のみ按分して経費計上が可能ですが、元本部分は経費として計上できません。
光熱費
電気・ガス・水道の使用料は、事業において必要な範囲で家事按分による経費計上が可能です。
個人事業主、とくにWeb関連の事業を展開している方なら、とくに気になるのは電気料金でしょう。
とはいえ、電気料金のなかで「事業に〇キロワット・〇円分を使った」と仕訳けるのは困難です。
一般的には、月間の作業日数や作業時間、家全体のコンセントのうち事業に使用している数の割合から按分します。
電気料金は季節などの変動を受けやすい性質がありますが、一度決めた按分割合は動かさないのが原則です。
ガス・水道の料金も基本的には同じ考え方ですが、単に「仕事中も使用している」というだけでは按分は認められにくいでしょう。
通信費
事業には電話やインターネットが必須なので、プライベートとの共有でも家事按分による経費計上が認められるのは当然です。
ただし、プライベートのスマホをそのまま事業で使用していると、どの程度の割合で按分するのかの判断は難しいでしょう。
通信費を問題なく経費計上するには、事業とプライベートの共有ではなく、事業用として別に回線を契約したほうが安全です。
事業用の回線なら、按分することなく全額を経費として計上できます。
車関連の費用
自家用車を事業にも使用する場合は、ガソリン代・洗車代・オイル交換費用・駐車場の賃料・車検代などを按分して経費に計上できます。
最も大きな支出になるのはガソリン代になるはずなので、走行距離に応じて事業に使用した分とプライベートで使用した分を按分するのが定石です。
いつ、どこへ、どのような要件で、何キロ走ったのかを記録しておけば走行距離から按分割合を算出できるので、車関連のほかの費用もそれに従って按分します。
なお、自動車の購入費用も経費として計上可能ですが、この場合は減価償却費のなかに按分割合に応じて計上するので、勘定科目の仕訳を間違わないように注意しましょう。
これってどうなの?個人事業主の経費として認められないもの
個人事業主の支出は事業とプライベートが混在しているものが多いので、経費として認められるかどうかの判断に迷いがちです。
よくある「これは経費として認められるの?」という疑問に答えていきましょう。
仕事中の私的な飲食代
仕事中の私的な飲食にかかった支出は、事業遂行に必要がないものなので経費として認められません。
昼休憩にレストランでランチを食べた飲食代を会社に請求しても負担してもらえないのと同じです。
当然、取引相手との打合せを兼ねた会食などは接待交際費への計上が可能ですが、説明のつかない支出を計上するのは避けたほうが安全です。
自身の健康診断費用
個人事業主には自分自身への福利厚生という考え方は存在しません。
会社員のころは会社が費用を負担して健康診断を受けていたかもしれませんが、個人事業主の場合は窓口での支払額すべてが自己負担です。
なお、従業員の健康診断費用は福利厚生費として計上しても差し支えありません。
家族に対して支払った給料(条件あり)
個人事業主と生計をともにしている家族への給料は、原則として経費には計上できません。
ただし、開業届について詳しくみる税務署への開業届の提出とあわせて青色申告事業者としての届け出をしている場合は「青色事業専従者給与」としての計上が可能です。
白色申告と比べると確定申告に必要な資料が増えるうえに経理の手間も増えますが、家業を手伝ってくれている家族を従業員として給与を支払うことで大きな節税効果が期待できます。
仕事で利用するために購入したスーツの費用
個人のスーツ購入を補助する会社もあるので、個人事業主のスーツ購入は経費として計上しても問題がないように感じるかもしれませんが、ほかの私的な用事にも併用できるものなので、経費としての計上は難しいでしょう。
たとえば、営業などの用件でかならずスーツ着用が求められるシーンが多く、さらに私用では着用しないユニフォームのような位置づけとして購入したといったケースなら、客観的な説明が尽くせる限り、経費としての計上も可能です。
個人が納める税金
個人事業主が経費として計上できる勘定科目には租税公課がありますが、個人として納付する所得税・住民税・健康保険料などは事業に無関係なので経費とはいえません。
もちろん、個人事業税や事務所・店舗の固定資産税、事業用の印紙税などは事業に関連しているので経費としての計上が可能です。
自宅兼事務所として事業とプライベートで共有している場合も、家事按分することで経費となります。
経費計上するために認められている書類と注意点
事業の遂行に必要な限り、あらゆる支出が経費として計上できます。
ただし、実際に事業のために生じた支出でも、税務調査で説明を求められた場合に客観的な根拠を示さなければ経費とは認めてもらえません。
経費として計上するために求められる証拠書類や保存における注意点を確認しておきましょう。
経費計上に必要な書類と記載項目
支出を経費として計上するには、支払先が発行した証拠書類が必須です。
領収書・レシート・支払証明書のほか、口座振り込みの明細やクレジットカードの利用明細などが証拠となります。
口座振り込み・クレジットカードの明細は、日付・支払先・金額しかわからないので、対応する請求書や納品書といった証拠書類も残しておかなければなりません。
これらの証拠書類に決まったフォーマットはありません。
ただし、経費として認められるためには、最低でも次の項目が記載されている必要があります。
- 支払った年月日
- 支払者の名前・会社名
- 支払先の名前・会社名と住所・所在地
- 支払った金額
- 支払いの名目・但し書き
日ごろから、これらの項目を充足している領収書やレシートの交付を受けて保管する習慣を身につけておきましょう。
証明できる書類がない場合
支払先が領収書やレシートを発行してくれない、あるいは交付された領収書やレシートを紛失したなど、証拠書類がない場合でも、経費計上は可能です。
たとえば、鉄道・バスといった交通機関を利用した場合は、交通系ICカードの利用履歴によって証明するか、もしくは「出金伝票」を作成します。
出金伝票とは、現金を支出する取引をした際に記録する伝票で、交通費のほか、取引先への冠婚葬祭費、取引先との会食で割り勘をした際の接待交際費などの支出で使用するのが一般的です。
出金伝票には、次の項目を記載します。
- 支払った年月日
- 支払先の会社名と所在地
- 勘定科目
- 適用(支払いの名目)
- 支払った金額
なお、現金取引ではなく口座振り込みをおこなった場合は「振替伝票」で対応します。
領収書の保存期間は7年
当年の確定申告が終わっても、経費計上の根拠となった領収書などは一定期間の保存が義務付けられています。
- 青色申告の場合:所得が300万円を超える場合は7年、300万円以下なら5年
- 白色申告の場合:5年
保存期間は発行日を起算点にするのではなく「当年の確定申告期限日の翌日」を起算点にします。
ここで注意すべきは、白色申告でも消費税の課税事業者である場合は7年間の保存が必要だという点です。
2023年10月からは「インボイス制度」が始まるので、現状は消費税の非課税事業者でもインボイス制度へ対応するために消費税課税事業者へ転換する個人事業主の方も多いでしょう。
税務署に「適格請求書発行事業者」としての届け出をした場合は、申告の方法を問わず7年の保存が必要になるので注意が必要です。
さいごに
「経費」の考え方を正しく理解し、適切に漏れなく経費を計上することは、個人事業主の方の手に残るキャッシュの増加につながります。
かといって、プライベートな支出まで経費として計上するのは危険です。
税務調査を受けた際に指摘され、脱税として厳しい罰を受ける可能性があります。
どんな支出が経費として認められるのか、事業とプライベートが混在している支出をどのように按分すればよいのかを正しく理解して、節税に努めましょう。
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