フリーランスが加入できる社会保険があるってホント?健康保険の種類や保険料を節約する方法
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フリーランスにとって社会保障は大きな悩みのタネです。
日本労働組合総連合会、いわゆる「連合」が実施した「フリーランスとして働く人の意識・実態調査2021」によると、対象となったフリーランスの25.4%が「社会保障が不十分」という不安・悩みを感じていることがわかりました。
多くのフリーランスが不安や不満を感じている社会保障制度のうち、本記事では「社会保険」に注目しながら、フリーランスと社会保険の関係やフリーランスが加入できる社会保険の種類などを解説します。
今すぐ健康保険の負担を軽くする方法をみる(ページ下部へ移動)
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溝口 弘貴
つなぐマーケティング代表
電気工事士からWeb業界に転職して10数年。現在はフリーランスとしてクライアントサイトのマーケティング支援や自社メディアの運用などをおこなっています。ネットマーケティング検定やIMA検定などIT関連の資格を8つもっています。運営者情報はこちら
本記事でわかること
社会保険とは?フリーランスと社会保険の関係
「社会保険」という用語はさまざまな場面で登場しますが、場面によってその意味が異なるという少し複雑な性質をもっています。
まずは社会保険という用語の意味やフリーランスと社会保険の関係を整理しておきましょう。
社会保険とは?
「社会保険」という用語には大きく分けて2つの意味があります。
いわゆる「社保」としての社会保険
多くの方が社会保険と聞いて思い浮かべるのが、一般的に「社保」と呼ばれている健康保険です。
こちらは「狭義の社会保険」とも呼ばれています。
会社の福利厚生の一環として、会社側が保険料の半分を負担して健康保険に加入できる制度で、正確には「被用者保険」という名称です。
国保を含む広い意味での社会保険
会社で加入する健康保険が「狭い意味」のものなら、反対に「広い意味」つまり「広義の社会保険」も存在します。
本来、社会保険とは健康保険・雇用保険・労災保険・年金保険の総称です。
こちらの意味では、会社で加入する被用者保険だけでなく、個人が加入する国民健康保険も社会保険に含まれます。
フリーランスも健康保険に加入しなければならない
会社を辞めると退職をもって社保から脱退することになりますが、日本の制度ではすべての国民に健康保険への加入が義務付けられています。
これは、医療費負担の重さから必要なときに必要な医療を受けられない人がいないように設けられている制度です。
会社を辞めてフリーランスになっても、健康保険と年金保険には加入しなければなりません。
フリーランスが加入できる健康保険の種類は4つ
会社を辞めてフリーランスとして独立すると、これから挙げる4つのうちいずれかの方法で健康保険に加入することになります。
- 国民健康保険に加入する
- 国民健康保険組合に加入する
- 元の会社の社会保険を任意継続する
- 社会保険に加入している家族の扶養に入る
どの方法も選択せず、健康保険に加入しないという選択肢はありません。
1.国民健康保険に加入する
最も基本的なかたちは「国民健康保険」への加入です。
会社を辞めてほかの健康保険に加入しなかった場合、退職の翌日まで日付をさかのぼって自動的に国保に加入していたことになります。
病院などの医療機関を受診する際に、居住している市区町村から交付された「国民健康保険被保険者証」を提示すれば1~3割の負担で済むという点は、会社の社保と同じです。
国民健康保険という名称なので、生命保険や損害保険のように「掛け金」を支払うようなイメージがあるかもしれませんが、国保の保険料は正確には「国民健康保険税」という税金で、所得税や住民税と同じく前年の所得額に応じて保険料が変動します。
もちろん、滞納すれば差押えなど強制処分の対象になるので注意しましょう。
フリーランスの配偶者も国保への切り替えが必要
これまで、会社の社保で配偶者や家族を扶養に入れていた方は要注意です。
国保には「扶養」の概念がありません。
世帯主が会社の社保を脱退した時点で、配偶者や家族も社保の扶養から外れて、それぞれが国民健康保険の被保険者となります。
配偶者だけでなく子どもも課税対象になるので、会社の社保と比べると保険料の負担はかなり大きくなるでしょう。
2.国民健康保険組合に加入する
国民健康保険の保険料は「税金」なので、所得が増えればそれに応じて保険料も高くなります。
個人事業主であるフリーランスにとって、国保負担の増大は家計の圧迫につながる深刻な問題となるでしょう。
そこで考えられる次の選択肢が「国民健康保険組合」への加入です。
特定分野の団体を経由して同種の事業者や業務の従事者で組織される組合に加入し、組合を通して健康保険に加入します。
国民健康保険組合に加入する最大のメリットは「保険料が収入額にかかわらず一律」という点です。
収入が少ないうちは国保のほうが安くなることもありますが、収入が増えてきたら国民健康保険組合に切り替えたほうが圧倒的に節約できます。
3.元の会社の社会保険を任意継続する
会社員からフリーランスに転向する場合は、そのまま会社の社会保険(被用者保険)を継続することも可能です。
これを「任意継続」といいます。
任意継続できるのは2年間だけなので期間限定ではありますが、フリーランスになったばかりで経営が軌道に乗るまでは任意継続で保険料を抑えるという選択肢も利口です。
ただし、保険料の支払い遅延は許されず、1日でも遅れると脱退させられるので注意しましょう。
扶養家族が多いなら任意継続がおすすめ
会社の社保は保険料の半額を会社が負担してくれますが、あくまでも現役社員のための福利厚生の一環なので、退職者の任意継続では半額負担が受けられません。
つまり、任意継続でも退職前と比べると保険料の増額は避けられません。
ただし国保とは異なり会社の社保には扶養の概念があるので、家族分の保険料負担がなくなり、国保よりも保険料が安くなります。
扶養家族が多いなら、期限いっぱいまで任意継続を選ぶといいでしょう。
4.社会保険に加入している家族の扶養に入る
会社員として働いている家族がいるなら、その扶養に入ることで保険料の支払いがなくなります。
保険料の負担額が0円になるので、これが最も安く済ませる方法となるでしょう。
ただし、会社の社保の扶養に入るには、収入額が社保に加入している家族の年収の2分の1未満であること、年収が130万円未満であることなどの条件があります。
将来的には別の健康保険に切り替えるタイミングが訪れることも視野にいれておかなければなりません。
フリーランスが健康保険の負担を軽くする方法
会社を辞めてフリーランスになると、国民健康保険に加入するのが基本です。
会社の社保と比べるとほぼ確実に保険料が高くなるので、フリーランスとして独立したばかりのタイミングでは大きな負担に苦しまされるでしょう。
ここでは、フリーランスが健康保険の負担を軽くする方法を紹介します。
経費を漏れなく計上する
確定申告において経費を漏れなく計上すれば所得額が小さくなり、国保の保険料が安くなります。
国保の保険料は税金なので、所得税などの節税と考え方は同じです。
仕入れのほか、事業で使用するパソコンの購入費用やスマホの通信費、事務所の家賃などは漏れなく計上しましょう。
フリーランスだと事務所を別に借りず自宅で仕事をするケースもめずらしくありませんが、家賃や光熱費などを「家事按分」することで一部を経費として計上できます。
フリーランスになったら、どんな支出が経費に計上できるのかをしっかり学んで申告に備える姿勢が大切です。
フリーランスが経費にできるもの・できないものついて詳しくみる
控除が増えると保険料は安くなる?
節税の方法として経費の計上と同じように有効なのが「控除」です。
条件に合致すれば売上などの収入から一定額が差し引かれるので、所得が小さくなり、税額も安くなります。
ただし、国保の保険料には「基礎控除」しか適用されません。
基礎控除はすべての納税者に等しく一律で適用されるものです。
そのほかの各種控除を漏れなく適用すれば所得税や住民税の節税につながりますが、国保の保険料には影響しません。
収入が増えたら健康保険組合への加入に切り替える
経費の水増し計上や架空計上をするわけにはいかないので、どんなに工夫をこらしても国保の保険料を節約するには限界があります。
収入が増えて国保の保険料が高額になってきたら、国民健康保険組合に切り替えるのが最も現実的な節約法になるでしょう。
健康保険組合の保険料は収入や所得に関わらず一律です。
ただし、業界団体に加入しなければ組合には入れないので、団体や組合の加入条件をクリアしつつ、会費などの支払いを守らなくてはなりません。
目に見える保険料の差だけでなく、会費なども含めたトータルコストで比較するように心がけてください。
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「フリーランスでも加入できる社会保険」ってホント?
インターネットで「フリーランス 社会保険」といったキーワードで検索すると「フリーランスでも加入できる社会保険」といったうたい文句のサービスがヒットします。
X(旧Twitter)・InstagramといったSNSでも広告を掲出しているので、気になっている方も少なくないでしょう。
本当にフリーランスでも加入できる社保があるのでしょうか?
フリーランスでも加入できる社会保険が存在する
フリーランスを対象に自社の社会保険に加入させるサービスは確かに存在しています。
毎月のレポート提出など簡単な作業に対して報酬を支払うことで「働いている」という体裁をつくり、自社の社員として社会保険に加入させるといった仕組みです。
保険料は月々一律で、しかも社保なので家族分は扶養扱いとなります。
さらに、国民年金よりも将来支払われる給付が大きい厚生年金にも加入できるので、負担が減って保障が増大するというフリーランスなら誰でも飛びつきたくなるようなサービスです。
なかには加入者平均で月々4万円・年間50万円が節約できると宣伝している団体もあり、関心をもっているフリーランスが増えています。
保険料は節約できるが脱法行為の疑いは強い
このサービスを利用して社保に加入すれば、たしかに社会保険料の節約は実現できます。
ただし、このサービスは実際に社員として働いているわけではないのに「社員になったことにする」「働いているという体裁にする」というもので、ただちに違法とはいえなくても、正規の手続きとはいえない脱法行為の疑いが拭えません。
公式サイトなどでは「弁護士や税理士がバックについている」「違法ではない」とうたっていますが、実際には社員ではないので関係省庁からの指摘でいきなりサービスが停止されてしまう危険もはらんでいます。
補助金・助成金を受けられなくなる可能性がある
脱法行為の疑いがあることを承知したうえでこのサービスを利用しても、おそらく加入者がなんらかのペナルティを受けることはないでしょう。
ただし、このサービスを利用して社保に加入すると、国や自治体からの補助金・助成金を受けられなくなる可能性があるという点は覚えておいたほうがいいかもしれません。
フリーランスを対象とした補助金・助成金の制度はさまざまです。
たとえば、新型コロナの影響を受けた事業の継続・回復を支援する目的で令和4年に実施された事業復活支援金では、フリーランスであることの証明として国民健康保険被保険者証の写しの提出が求められていました。
例外として、国民健康保険組合の加入者や以前の会社の任意継続者も支援の対象となっていましたが、社保の加入者は対象外です。
実際にはフリーランスとして活動しているのに、国や自治体からは「フリーランスとはいえない」と評価されてしまい、補助金・助成金を受けられなくなる可能性があるので、目先の利益ばかりに目を奪われてはいけません。
さいごに
フリーランスは社会保障が弱いといわれていますが、健康保険には加入の義務があります。
基本的には国民健康保険に加入する流れになりますが、会社の社会保険と比べると保険料が高額になるので、負担の増大は避けられません。
ただし、収入にかかわらず保険料が一律の健康保険組合に加入する、節税に努めて保険料を抑えるといった対策を講じれば、負担は大幅に軽減できます。
せっかく稼いだお金を少しでもたくさん手元に残せるように、社会保険や税金などの仕組みをしっかり学んで理解しておきましょう。
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