フリーランスのための契約書ガイド!種類・必要性・作成方法・ひな形を徹底解説
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フリーランスになると、クライアントとの契約は自分自身で結ぶことになります。
会社員のときのように「法務関係の部署に任せておけばいい」というわけにはいきません。
当然、契約書の内容は自分でしっかり理解しなくてはならないし、自分自身が契約書を作成する機会も増えてくるでしょう。
フリーランスになるとどんな場面でどういった契約書を交わすのか、契約書にはどんな内容を記載するべきなのか、契約を結ぶ際の流れなどを解説します。
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溝口 弘貴
つなぐマーケティング代表
電気工事士からWeb業界に転職して10数年。現在はフリーランスとしてクライアントサイトのマーケティング支援や自社メディアの運用などをおこなっています。ネットマーケティング検定やIMA検定などIT関連の資格を8つもっています。運営者情報はこちら
フリーランスが仕事を請け負う際に交わす契約書の種類
フリーランスがクライアントと交わす契約書の種類は主に3つです。
業務委託契約書
企業が自社の業務の一部を外部に委託する際に結ぶ契約が「業務委託契約」です。
クライアントから外注を受けた時に結ぶ一般的な契約形態だといえるでしょう。
業務委託契約を結ぶ際に交わすのが「業務委託契約書」です。
実は、法律上は「業務委託契約」という形態の契約は存在しません。
実際には委任契約もしくは準委任契約と呼ばれます。
- 委任契約:おもに弁護士など法律行為に関する業務を委託するもの
- 準委任契約:法律行為ではない業務を委託するもの、フリーランスの業務のほとんどが準委任契約にあたる
業務委託契約は、雇用関係を結ばずにお互いが対等な立場で業務を進める契約です。
クラウドソーシングを利用している人だと「クライアント側のほうが優位で、フリーランス側の立場は弱い」というイメージをもつかもしれませんが、業務委託契約を結ぶ以上は対等な関係であると心得ておきましょう。
業務請負契約書
業務委託契約と同じく、外注時に結ぶ一般的な契約形態となるのが「業務請負契約」です。
業務請負契約を結ぶ際は「業務請負契約書」を交わします。
両者は「なにをするのか?」という点でまったく違う目的をもつ契約です。
業務委託契約はクライアントが「自社の『業務の遂行』を外注するもの」ですが、業務請負契約はクライアントが「自社に必要な『成果物』を外注するもの」という目的をもっています。
たとえば、コンサルティングやITシステムの保守などは業務そのものが重要で成果物が発生するわけではないので、適しているのは業務委託契約です。
一方で、プログラマー・デザイナー・ライターなどは成果物が求められるので、業務請負契約が適しています。
業務請負契約では、成果物さえ完成・納品できればその方法や工程などは問わず、基本的にクライアントから請負人に指示は出せません。
納期までに成果物を渡すことができるなら、何時から何時まで作業をして、いつ休むのかなども自由です。
ただし、両者は厳密に区別されないまま実務で運用されています。
業務請負契約書を交わしたからといって「期日までに納品できれば問題ないでしょ?」という姿勢でいると不誠実だと評価されてしまうかもしれないので注意しましょう。
秘密保持契約書
フリーランスの中でも、とくに技術的な情報や個人情報を扱う機会の多い分野では「秘密保持契約(NDA)」を結ぶ機会が多くなります。
秘密保持契約を締結する場合の契約書が「秘密保持契約書」です。
秘密保持契約ではなく「機密保持契約」ともいいますが、厳密な区別はありません。
業務で知り得たクライアントの秘密情報について、契約締結時に予定している用途外で使用したり、他人に開示したりといった行為を禁止する契約で、特許技術などの知的財産やノウハウなどを守りたいクライアントの求めによって結ぶのが一般的です。
なぜフリーランスでも契約書が必要なのか?
何度か案件を受託していると、その都度契約書を巻くのが面倒だったり、大げさに感じたりする人がいるかもしれません。
メールや電話のやり取りだけでもよさそうなものですが、わざわざ契約書を交わす必要はあるのでしょうか?
契約内容が明確な文書として残る
実は、法的な契約は口頭でも可能とされています。
しかし、どういった業務や成果物をいつまでに提供し、いくらの報酬をもらえるのかという約束まで口頭で済ませてしまうと、あとで「言った・言っていない」などのトラブルになりかねません。
メールなどのやり取りでも証明できそうな気がするかもしれませんが、言葉足らず、解釈の違いなどでお互いの認識に差が生じてしまうおそれもあります。
こういった行き違いが生じてしまい、クライアント側は必要な業務や成果物を得られず、フリーランス側もスムーズに報酬を得られないようでは、誰もが損をしてしまうでしょう。
契約書には、ある内容を約束する場合はこういった条項・文言を盛り込むという定型的なルールがあるので、正しく理解すれば言葉足らずや解釈違いといったトラブルを回避する効果があります。
契約内容を明確な文書として残せるので「言った・言っていない」といったもめ事も避けられるでしょう。
お互いの信頼感が増す
正式な契約書を交わさずに業務を進めていくということは、何らかのトラブルが発生した際の「縛り」がない状態と同じです。
契約書はクライアントとフリーランスがお互いに契約による縛りを受けている証明であり、約束を守ることの担保としての機能を果たします。
クライアントが「任せた案件をしっかりと遂行してくれる」とフリーランスを信頼し、フリーランスが「約束どおりの業務を完遂させれば間違いなく報酬を得られる」とクライアントを信頼するためには、契約書の存在が欠かせません。
両者が安心して業務に集中するためにも、契約書は必須です。
報酬未払いなどのトラブルが起きた際の証拠になる
フリーランスにとって大きな問題となるのが、クライアントによる報酬の未払いです。
業務や成果物を提供しても、あとで難癖をつけられて報酬を支払ってもらえない事態になれば、事業運営や生活にも大きな打撃を受けてしまうでしょう。
報酬の未払いに関して裁判や調停などの法的措置を講じる場合は、証拠が必要です。
契約書は「どのような業務・成果物を提供すればいくらの報酬を支払ってもらえるのか?」という契約内容を明示する書面であり、お互いが記載内容を認めて署名・押印するので法的にも効力をもつ証拠となります。
契約の基本的な流れ
フリーランスとクライアントの間で交わす契約は、契約書を中心に進んでいきます。
1:契約書の叩き台を作成する
まずは契約書の草案として叩き台を作成します。
通常、これまでにも多くの契約を交わしてきたクライアント側がすでに外注用のフォーマットを用意しているので、フリーランス側で作成するケースは少ないでしょう。
契約書の叩き台はWord?PDF?
契約内容が本決まりに至っていない状況なら、叩き台はWord形式でやり取りされるのが定石です。
多くのクライアントが利用している、書類作成に必要な機能やデザインが充実している、修正が容易で修正履歴も残るといった理由で、Word形式でのやり取りが好まれています。
PDF形式のやり取りも可能ですが、閲覧・編集のために別のソフトが必要であったり、編集しても体裁がズレたりすることがあるので、避けたほうが無難です。
編集に不向きな形式でクライアントに送ってしまうと「条件を変更したくない」という意思表示だと誤解されてしまい、余計なトラブルを生んでしまうかもしれません。
2:契約内容の確認
送付された叩き台から、詳しい契約内容を確認します。
まずは受託者の氏名・住所、業務内容や期間・報酬額・支払日など、契約ごとに変更されるべき点を確認しましょう。
叩き台を何度も使いまわしているクライアントだと、以前の契約内容のままになっているかもしれません。
次に、各条項を確認します。
一方にとって著しく不利なものがないかをチェックし、内容変更・修正を求めたい条項をピックアップしておいてください。
3:各項目についての交渉
条件に不満があって内容変更・修正・追加などを希望したい点があった場合は、クライアントにその旨を伝えて交渉します。
正式契約後の変更や修正は難しいので、希望があれば遠慮なく伝えましょう。
以後、お互いが合意するまで2~3の作業を繰り返します。
4:正式契約
契約内容にお互いが合意したら、正式に契約を交わします。
紙ベースの場合は一方が同じ契約書を2部作製し、署名・押印して相手に送付して返送してもらうのが基本です。
クライアント側で作成してくれる場合、フリーランスは送付された契約書の1部に署名・押印して返送、もう1部は自分が保管することになります。
最近は、このやり取りに要する日数の削減とペーパーレス化のために電子署名を活用した電子契約を活用するクライアントも増えているようです。
電子契約の場合は、お互いが電子署名した契約書がPDF化されるので、かならず保存しておきましょう。
契約書の基本的な16項目をチェック!例文(ひな形)も紹介
契約書の文面は、契約内容によって変わります。
ただし、一般的に盛り込むべき条項や定型的な表現があるので、インターネットで公開されているフォーマットなどを利用すれば体裁の整った契約書の作成が可能です。
ここでは、業務委託契約書の基本的な16項目を列挙しながら内容を解説します。
例文もあわせて紹介するので、クライアントが作成した契約書のチェックや自分が作成する際の参考にしてください。
1:表題(タイトル)
契約書の性質を定めるという意味で、表題(タイトル)は大切です。
「業務委託契約書」や「業務請負契約書」など、契約内容に照らして明示しましょう。
通常、契約の主体となるのは「委託する側」です。
クライアントの依頼によってフリーランス側が作成する場合でも、表題は「受託」とはせず「委託」にします。
2:前文
誰と誰がどんな形態の契約を交わすのかという点を明示する部分です。
「委託者を甲、受託者を乙として、以下のとおり業務委託契約を締結する」といった定型的なものですが、契約書の使いまわしをしているとミスしやすい部分なのでしっかりチェックしましょう。
【例】
〇〇株式会社(以下「甲」という)及び△△△△(以下「乙」という)は、甲の業務の委託に関して、以下のとおり契約(以下、「本契約」という)を締結する。
3:業務内容
委託する業務の内容を明示する部分です。
業務内容が多い場合は列挙や別紙記載といったかたちも取られます。
契約外の業務を依頼された場合は別途の契約を結ぶ必要があるので、クライアント側にとって著しく有利なかたちに偏っていないかをしっかりと確認しましょう。
【例】
甲は乙に対し、〇〇に関する業務(以下、「本件業務」という)を委託し、乙はこれを受託する。
本件業務の内容は、以下のとおりとする。
1、 △△△△
2、 □□□□
4:報酬
契約の対価、支払の時期・方法などを明記する部分です。
消費税抜き・込み、振込手数料をどちらが負担するかといった点まで詳しく記載します。
フリーランスにとってはとくに重要な条項になるので、念入りにチェックしましょう。
【例】
1、本件業務の対価は、月額金〇〇円(消費税込み)とする。
2、甲は乙に対し、前項に定める対価を、毎月末日までに、乙が別途指定する銀行口座に振り込む方法によって支払う。振込手数料は甲が負担する
5:経費
業務遂行に伴って発生する経費の負担を定める部分です。
委託者が経費を負担する場合は「一旦は受託者が立て替えて支払って請求書に盛り込む」など、請求・支払いの方法も明記しておきます。
【例】
本件業務の遂行に伴う交通費、宿泊費その他の諸経費等の実費は、甲の負担とする。当該実費は、原則として乙が立替払いをし、事後に請求書を甲に提出することとし、乙への支払い方法は前条に準ずるものとする。
フリーランスが経費にできるもの・できないものついて詳しくみる
6:契約期間
契約の有効期間を定める部分です。
継続案件になれば、契約期間が終了するたびに契約を巻きなおしているとお互いに手間がかかってしまいます。
最初の契約の段階で継続案件になることが想定される場合は、お互いの手間を省略するために自動更新される旨を書き添えられるのがセオリーです。
【例】
1、本契約の有効期間は、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日までとする。
2、本契約の期間満了の〇か月前までに、いずれの本契約当事者からも書面による何らの意思表示もない場合、本契約は同じ条件でさらに1年間延長されるものとし、以降も同様とする。
7:中途解約
契約期間中でも中途解約できる条件やその場合の報酬の扱いについて明示する部分です。
【例】
本契約期間中においても、甲または乙は、〇か月以上の予告期間をもって書面で通知することにより、本契約を解約することができる。また、甲は、かかる事前の予告通知をしない場合であっても、〇か月分の業務委託料を支払うことにより、本契約期間中であっても本契約を即時に解約することができる。
8:再委託
受託者が第三者に業務を再委託できるかどうかの可否を定める部分です。
通常、業務委託契約では再委託禁止、または再委託の場合は委託者の承諾を必要とし、再委託先とも再委託契約を結びます。
一方、業務請負契約の場合は「成果物が完成するまでのプロセスは問わない」というのが基本なので、承諾を得なくても再委託は可能とするのが法律の考え方です。
ただし、業務委託・業務請負を明確に区別できていないクライアントも少なくありません。
無承諾での再委託はトラブルになりやすいので注意が必要です。
【例】
1、乙は、甲の事前の書面による承諾なく、本件委託業務の全部または一部を第三者に再委託することはできない。
2、前項の承諾を得て乙が第三者に本件委託業務の全部または一部を第三者に再委託する場合、乙は当該第三者との間で再委託にかかる契約を書面により締結しなければならない。
3、乙は再委託先を管理監督するとともに、それらの業務の実施にかかる一切の行為に関して、乙がしたものと同じく、甲に対して一切の責任を負う。
9:秘密保持
業務で知り得た情報の第三者への開示・漏洩や業務外での目的で利用してはならない旨を定める部分です。
契約終了後の情報漏洩を防ぐため、契約が終了しても秘密保持の義務は存続する旨とその期間も明示します。
【例】
1、甲および乙は、本契約締結の事実および本契約に関してまたは本件委託業務遂行のうえで知り得た相手方の技術上、営業上およびその他の情報で相手方が秘密と指定したもの(以下、「秘密情報」という)を、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく第三者に開示・漏洩してはならず、本契約の履行以外の目的に利用してはならない。
2、前項の義務は、本契約期間中のみならず、本契約終了後〇年間存続するものとする。
10:知的財産権の帰属
成果物の知的財産権が誰にあるのかを明示する部分です。
業務委託契約ではクライアント側に全面的に帰属するかたちがセオリーでしょう。
【例】
成果物に含まれる知的財産権(知的財産権を受ける権利を含む。また著作権については、著作権法第27条および同法第28条に定める権利を含む。以下、本契約において同じ。)および本契約にもとづく業務遂行の過程で生じる知的財産権は発生と同時に甲に帰属するものとする。
11:解除
契約を解除できる条件を明示する部分です。
相手方がその責に帰すべき事由により契約義務を履行しない場合、期間を定めて書面によって催告し、なおも履行しない場合は一方的に解除できるとするのが一般的でしょう。
また、差押えや強制執行を受けたとき、破産などの手続きを受けたとき、手形や小切手の不渡りによって支払い停止状態になったとき、公租公課の滞納処分を受けたとき、監督官庁による行政処分を受けたときなどの解除事由も明示されます。
【例】
1、甲または乙は、相手方がその責に帰すべき事由により本契約上の義務を履行しない場合は、相手方に相当の期間を定めて書面による催告を行い、なお履行がないときには、本契約を解除することができる。
2、甲または乙は、相手方に次に掲げる事由のいずれかが生じたときには、何ら催告することなく直ちに本契約を解除することができる。
1、仮差押、差押、強制執行または競売の申立を受けたとき
2、破産、民事再生、会社更生、特別清算等の手続申立を受けたとき、または自らこれらを申し立てたとき
3、手形、小切手を不渡りにする等支払停止状態に陥ったとき
4、公租公課の滞納処分を受けたとき
5、監督官庁による営業許可の取消、営業停止等の処分があったとき
6、前各号のほか、著しい信用不安の事態が生じ、本契約に基づく債務の履行が困難になるおそれがあると認められるとき
12:損害賠償請求
契約に違反して相手に損害を与えた場合の賠償義務を明記する条項です。
たとえば、受託者側で顧客の情報漏洩が発生したため対象者への賠償で損害が生じた、コンテンツ制作を委託したところ受託者が第三者の知的財産権を侵害していることが発覚して委託者に損害が生じた、といったケースでの適用が想定されます。
【例】
甲または乙は、本契約に違反し、相手に損害を与えた場合には、相手方に対しその損害を賠償しなければならない。
損害賠償請求の条項があると訴えられる?
「万が一トラブルになったときは損害賠償を請求する」と示しているので怖く感じるかもしれませんが、確実かつ誠実に業務を遂行していればとくに不安をおぼえる必要はありません。
契約書における定型的な条項なので、クライアントが「何かあれば訴える」と強硬姿勢を見せているわけではないと理解しておきましょう。
損害賠償請求を受けた場合の備えを整えておきたいと考えるなら、フリーランス向け賠償責任保険への加入をおすすめします。
年会費1万円の支払いで賠償責任保険が自動付帯されるフリーランス協会の「ベネフィットプラン」や、年払いで1か月あたり490円の支払いで最高500万円の業務過誤補償が受けられるFREENANCEの「レギュラープラン」など、軽い負担で充実の補償を受けられるプランを上手に活用しましょう。
13:反社会勢力の排除
暴力団に関与している者やいわゆる半グレ集団などに属する者を排除する条項です。
契約後に発覚したり、暴力団の名前などを用いた脅迫行為などがあったりした場合は一方的に契約を解除できる旨が明示されます。
また、解除によって生じた損害は賠償しない旨も明記されるのが一般的です。
契約内容によって左右される条項ではないので、定型的に盛り込まれるものだと考えておけばよいでしょう。
【例】
1、甲および乙は、それぞれ、自己および自己の役員並びに本件委託業務に従事する者が、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなったときから5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団またはその他これらに準ずる者(以下、「反社会的勢力」という)に該当しないことを表明および証明する。
2、甲および乙は、自らまたは第三者を利用して、相手方に対する脅迫的な言動または暴力を用いる行為、および威力・偽計による相手方の業務を妨害する行為をしてはならない。
3、甲および乙は、相手方が前各項に違反した場合、相手方に対して何らの催告をすることなく直ちに本契約を解除することができる。この場合であっても、相手方に対する損害賠償請求を妨げない。
4、前項の規定にもとづき解除がなされた場合、解除をした当事者は、相手方に対して、解除により生じる一切の損害について賠償する責任を負わない。
13:権利譲渡の禁止
お互いの承諾なしに契約に関して取得した権利や義務を第三者に譲渡したり、担保にしたりといった行為を禁じる条項です。
フリーランスにとっては、意図しない第三者に対して債務を履行しなければならない事態を回避するためのものだと考えておけばよいでしょう。
【例】
甲および乙は、相手方の事前の書面による承諾なしに、本契約および本契約に関して取得した権利または義務を第三者に譲渡し、または担保の目的に供してはならない。
15:裁判管轄
双方の間で損害賠償請求や報酬未払いなどのトラブルが発生したときに「どこの裁判所で裁判をするのか?」を取り決めておく部分です。
リモートで業務を進める地方在住のフリーランスが東京に本社を置くクライアントとの間に東京地方裁判所を管轄とする契約を結んだ場合、何らかのトラブルに発展して法的措置を取るには東京への出張が必要になります。
無用なコスト負担が生じる原因になるので、クライアント・フリーランスのどちらにも無関係な遠方の裁判所を管轄に定めていないかをチェックしておきましょう。
【例】
本契約に関する紛争は、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意裁判所とする。
16:協議
ここまでの内容のほか、契約書に定めのない事項を決める際や契約内容に疑義が生じた場合は双方が協議によって決めることを明示する部分です。
【例】
本契約に定めのない事項または本契約条項の解釈上の疑義については、甲および乙による協議の上、これを解決する
さいごに
フリーランスにとって、契約書は大切な書面です。
業務内容・報酬額・契約期間などの基本的な条件だけでなく、万が一のトラブルが起きた場合の責任の所在などが明示されているので、しっかりとチェックしたうえで正式契約に臨みましょう。
とくに、フリーランス側にとって著しく不利な条件が盛り込まれていないかをよく確認してください。
正式に契約したあとの内容変更・修正・追加は難しいので、契約前に交渉を尽くす心構えが大切です。
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