フリーランスの営業代行になりたい人必見!仕事内容や年収、注意点などを解説

更新日:

フリーランスの営業代行になりたい人必見!仕事内容や報酬、スキル、注意点などを詳しく紹介

溝口弘貴
本記事の企画・編集者
溝口 弘貴
つなぐマーケティング代表

※このページにはPRが含まれています。

いまや、どんな業界でもフリーランスへの転向は可能でしょう。

そして、あなたがいま活躍している「営業」の世界も、その例外ではありません。

営業も立派なスキルのひとつです。

卓越した営業スキルを買いたいという企業は数多く存在しています。

これまでに磨き上げた営業スキルを「会社の売上アップのため」に使うのではなく、「自分の収入アップのため」に使うのが「フリーランスの営業代行」という働き方です。

フリーランスの営業代行とはどんな仕事なのか、報酬形態や年収の相場、仕事を獲得する方法などを紹介していきましょう。

本記事の監修者

溝口弘貴

溝口 弘貴

つなぐマーケティング代表

電気工事士からWeb業界に転職して10数年。現在はフリーランスとしてクライアントサイトのマーケティング支援や自社メディアの運用などをおこなっています。ネットマーケティング検定やIMA検定などIT関連の資格を8つもっています。運営者情報はこちら

フリーランスの営業代行とはどんな仕事なのか?

まずは「営業代行」とはどんな仕事なのか、フリーランスの営業代行とはどんな業界なのかを確認していきましょう。

営業代行とは?

クライアント企業からの依頼を受けて、目的にあわせた営業活動を提供するのが「営業代行」という仕事です。

通常、営業を担当するのは会社内に置かれた営業を担当する部署や客先をまわる担当社員ですが、営業に割く人材が不足している、コア業務に集中するために営業の手間をカットしたいなどの要望をもつ企業は少なくありません。

こういったにニーズに応えるのが営業代行です。

営業代行を専門に扱う会社も存在する

すでに、自社の営業活動を営業代行に依頼するという会社はめずらしくない時代に突入しています。

現状は、ウィルオブワークの「セイヤク」や「アイランドブレイン」など、営業代行を専門に扱う大手の会社に依頼するのが定石です。

数多くの経験と実績から、営業活動だけでなくあらゆる業種・業態のマネジメントにも対応できるため、大手の営業代行会社に依頼する企業が増えています。

フリーランスの営業代行はブルーオーシャン状態!

特定の企業に所属せず、また営業代行会社にも所属せずに個人事業主として営業代行サービスを提供するのが、フリーランスの営業代行という仕事です。

主な収入源となっている職業

引用元:フリーランス白書2022

フリーランス白書2022によると、現在フリーランスとして活動している人のうち営業などの分野に属しているのはわずか2.0%でした。

多くの企業が営業代行を活用しているのにフリーランスの数は少ないという現状は、まさに「ライバル不在のブルーオーシャン状態」だといえるでしょう。

すでに大手の営業代行会社が高いシェアを占めているのが実情ですが、いまフリーランスが活躍しているさまざまな業界でも、最初は社員や大手の専門業者などがシェアの大部分を占めていました。

営業代行の業界も、これからフリーランスのニーズはどんどん高まっていくはずです。

まだライバルが少ない今だからこそ、フリーランスの営業代行にチャレンジする価値は大きいといえます。

フリーランスの営業代行の仕事内容

フリーランスの営業代行はどんな業務を担うのでしょうか?

BtoBの商談・受注

企業を相手としたBtoBの商談や受注をおこないます。

大手の営業代行会社は、BtoBの商談・受注が中心です。

契約を獲得してくる、商品を販売するといった成果だけでなく、業界独自のマーケティング技法のアドバイスや新たな企画・営業手法の提案なども求められるため、幅広い営業スキルが求められると考えておいたほうがいいでしょう。

これまでに企業相手の営業活動をしてきた経験があれば、フリーランスに転向してもそのまま通用する業務だといえます。

BtoCの営業活動

個人客を相手に商材を売り込む活動です。

新規顧客の獲得に向けた企画立案や営業リストの作成、休眠顧客の掘り起こしなどを代行することもあります。

Web・電話・訪問など、営業の手法もさまざまで、未経験からでも参入しやすい業務です。

ルートセールス

既存顧客との関係維持がメインとなる営業活動です。

指定された得意先を回りフォローを担当するのが中心なので、営業としての難易度は高くありません。

ただし、顧客からの要望に的確な対応を取ったり、クレームにも真摯に応えたりしなくてはならないので、商材の知識や柔軟性が求められます。

アポイントメント獲得

顧客とのアポイントメント獲得だけに集中する形態の営業代行も存在します。

いわゆる「テレアポ(テレフォンアポイントメント)代行」はこのジャンルの業務形態です。

電話やメールなどで顧客とのアポイントメントを獲得し、もう一歩踏み込んだ詳しい商談は相手企業の営業担当に任せるのがセオリーですが、獲得したアポイントメントについては最後まで商談を進めるよう求められるケースもあります。

営業コンサルティング

顧客や取引先を相手にするのではなく、クライアント企業の営業活動全体を見直して改善し、営業社員の育成・指導などをおこなうコンサルティング業務を代行するのも営業代行のひとつです。

分析力・企画力・カリスマなどが求められるのでハードルは高く、これまでの経験や実績が問われる難しいポジションだといえます。

難易度が高く結果も追及されますが、営業代行の仕事のなかでは最も高収入が期待できる業務です。

営業代行が求められやすい業界

フリーランスが案件を得るコツは「ニーズを知ること」です。

専門性が高いものの、営業に対する詳しい知識や経験がなかったり、営業に人材を割くのが難しかったりする業界では、営業代行が求められやすい傾向があります。

弁護士や税理士などの士業業界

弁護士・税理士などの士業事務所では、1人~数人の有資格者とごく少数の事務職員だけといったところが多いのが実情です。

たとえばひとつの事務所のなかに弁護士が1人しかいない、いわゆる「一人事務所」の割合は全体の61%で、しかも1人の弁護士が抱える案件が多いので、営業活動に人員を割けません。

自社サイトへの誘導や広告出稿で集客を目指すのがセオリーですが、士業は広告規制が強く安易な手法も危険なので、営業代行に頼るところが大きいといえます。

リフォームなどの建築業界

正社員のほとんどが職人で、営業に対する詳しい知識や経験をもたない中小企業が多いのが、建築業界の特徴です。

リフォーム・外壁塗装・屋根壁の補修・内装・外構などBtoCがメインで、ターゲットの抽出やアポイントメントの獲得には大きな労力が必要なので、営業代行が活躍しやすい業界だといえるでしょう。

IT業界

もともと少数精鋭の中小企業が多く、リソース不足が慢性化しやすいのがIT業界です。

リード(見込み客)の獲得に成功しても社内リソース不足によって十分な営業活動を展開できず、貴重なチャンスを逃してしまうこともあるので、営業代行を依頼する企業は少なくありません。

そもそも外注が多くフリーランスが活躍しやすい業界なので、これから営業代行を目指すならIT業界に注目することをおすすめします。

フリーランスの営業代行の報酬形態は3つ

フリーランスの営業代行の報酬形態は、大きく分けると3種類です。

契約時の報酬形態によって手にする報酬額やビジネスの安定感が大きく変わるので、十分に理解しておきましょう。

固定報酬型

営業代行の業務を遂行することで、成果にかかわらず一定額の報酬が支払われる報酬形態です。

予算が限られている、人材不足で営業マンを確保できないといった企業からの提案だと、固定報酬型が多い傾向があります。

フリーランスにとっては、会社員の月給のように安定した収入が期待できるので、安定して事業を進めたいと望んでいる人向きです。

ただし、大きな成果が得られても報酬に反映しないというデメリットも存在するため、収入をアップさせたいと望むなら長期にわたって固定報酬型の契約を続けることはおすすめできません。

成果報酬型

固定報酬型とは反対に、成果に応じて報酬が支払われる形態です。

おもに成約単価が低く利益率が高い商材を扱う企業からの提案に多い傾向があります。

なにを「成果」とするのかによって考え方も異なりますが、アポイントメントの獲得と成約(クロージング)を分けてカウントするケースが多いようです。

クライアントが儲ければフリーランスへの報酬も高くなり、クライアントが儲からなければフリーランスへの報酬も低くなるので、利益を分配するという意味ではwin-winの関係に見えますが、実はリスクも分担していることは無視できません。

スキルと努力次第で大きな報酬が得られる可能性はあるものの、成果が得られなかった場合は報酬ゼロといった事態も考えられます。

会社員の場合、完全成果報酬型(フルコミッション)を条件として雇用し、成果がなかったからといって給料をまったく支払わなかった場合は法律上の問題が生じるため、完全成果報酬型の場合は個人事業主として業務委託契約を結ぶのが基本です。

固定・成果の複合型報酬

一定額を固定報酬とし、成果に応じて成果報酬も支払うのが複合型報酬です。

月給・時給が提示されたうえでインセンティブも設定されている場合はこの形態にあたります。

成果報酬型と比べると成果に対する報酬の割合は少なくなりますが、一定の固定部分があるので安心して働ける形態です。

フリーランス営業代行の手数料相場と年収の目安

フリーランス営業代行の報酬は、契約時の報酬形態によって異なります。

ここでは、報酬形態別に手数料の相場と年収の目安を紹介していきましょう。

一般的な会社に勤めている営業社員の平均年収は400万円が相場といわれています。

フリーランスになるとどのくらいの収入アップが期待できるのかも比較していきましょう。

固定報酬型の場合

実際の求人情報をみると、完全固定報酬型の場合は月30万~60万円、年収に換算すると400万~700万円が相場となっています。

安定した報酬が支払われるという意味では正社員と大差がないので、平均年収も会社員並みです。

しかし、営業活動にかかる費用は自己負担になるうえに、会社の社会保険を利用できず割高な国民健康保険に加入しなければならないなど、フリーランスに転向すると支出の増大は避けられません。

会社員並みの収入しか得られない状況だと、フリーランスに転向することで収入が減少する可能性が高いでしょう。

固定報酬型で働くなら、単価アップに向けた交渉、好条件のクライアントへの乗り換え、営業代行以外の副業へのチャレンジなどを常に並行して考えておくべきです。

成果報酬型の場合

成果報酬型の場合、アポイントメント獲得で1件につき15,000~20,000円、成約に至れば売上の30~50%の報酬が支払われるのが一般的です。

成果や商材次第なので一律の相場は存在しませんが、営業代行や営業コンサル業務で年収1,000万円を超えるフリーランスも存在します。

とくに成約単価が高い士業・建設・IT業界の案件をメインに扱っていれば、大幅な収入アップが期待できるでしょう。

ただし、成果が得られなければ会社員並みの収入さえ得られないかもしれません。

月ごと・時期の収入の波も大きいので、大口のクライアントで成果が出にくい閑散期に収入を補う計画も必要です。

複合型報酬の場合

複合型報酬では、固定報酬が高く成果報酬が低いパターンと、固定報酬が低く成果報酬が高いパターンとに分かれます。

固定報酬の部分は5万~50万円と幅広く、成果報酬も成約1件につき1万~3万円、あるいは売上の20~50%とさまざまです。

安定感を求めるなら固定報酬が30万円程度に設定されているクライアントを選び、相応の成果もあげて年収600万~800万円を実現するのが堅実でしょう。

固定報酬という保険をかけつつチャレンジを試みるなら、固定報酬が低くてもインセンティブが高く設定されているクライアントを選び、年収800万円以上を目指すのもいいかもしれません。

フリーランスの営業代行に求められるスキルとは?

どんな業界でも、企業がフリーランスに求めるのは「即戦力」です。

とくに営業代行はその傾向が顕著で、即戦力としては不十分だと判断されてしまえば、相手にしてもらえないでしょう。

一から社員を指導・育成する必要がなく、無駄なコストをカットできるからこそ、フリーランスの営業代行が求められるのだから、スキルなし・経験なしで営業代行の仕事にチャレンジしても案件を得るのは困難です。

では、フリーランスの営業代行はどんなスキルを求められるのでしょうか?

プレゼンテーションスキル

商材の魅力を顧客や取引先に伝えるプレゼンテーションスキルは、営業マンとして必須のスキルです。

これは、フリーランスに限らず会社員の営業マンでも同じでしょう。

プレゼンテーションスキルは「話し上手」とは似て非なるものです。

流暢に説明できるだけでなく、商材の特徴やメリットを正確に把握したうえで、相手が欲しがっている情報を的確に伝えなければなりません。

相手を惹きつける話術も必要ですが、資料の提示や実演などさまざまなアイテムを上手に活用する創意工夫も求められます。

ヒアリングスキル

プレゼンテーションスキルが「みずから発信するスキル」なら、ヒアリングスキルは「相手から情報を得るスキル」です。

面談の機会を通じて、顧客や取引先が抱える問題点を的確に把握し、提案へとつなげます。

単に聞き上手で終わるのではなく、相手の立場になってどんな悩みや困りごとがあるのかを感じ取らなければ、ヒアリングスキルがあるとはいえません。

企画スキル

フリーランスの営業代行がセールス力を向ける先は、顧客や取引先だけではありません。

営業代行を依頼してくれたクライアントに対しても積極的にアイデアを提示し、営業社員以上に貢献する必要があります。

とはいえ、単なる思いつきを提案するのと、企画を立案するのは別物です。

業界・商材・顧客の分析、客観的でわかりやすい資料の作成、クライアントへのプレゼン能力などが伴ってこそ企画スキルといえます。

商材に対する知識

とくに専門性の高い商材の場合は、自分自身が商材について十分な知識をもっていないと、顧客や取引先に商材の魅力を伝えることはできないでしょう。

また、業界ごとの慣習や業務の流れ、専門用語なども知っておかなければ、潜在ニーズどころか顕在するニーズでさえも読み取れないかもしれません。

言い換えれば、特定の商材・業界について詳しい知識が備わっていたり、有資格者であったりすれば、過去に営業の経験がなくても営業代行に求められる重要なスキルが備わっているともいえます。

ある特定の商材・業界について詳しい知識をもっていることは、営業代行の仕事をするうえで大きな武器になると覚えておきましょう。

ビジネスマンとして備えるべきマナー

営業の世界は成果あってこその評価であり、とくにフリーランスは成果を重視される立場です。

しかし、どんなに成果重視をうたっていても「成果さえあげていればいい」などと本気で考えている企業はないでしょう。

礼儀正しい姿勢、丁寧なやり取り、時間などの約束を守るといったビジネスマンとして当然のマナーが備わっていなければ、案件の継続は期待できないと心得ておいてください。

フリーランスの営業代行が案件を獲得する5つの方法

フリーランスの営業代行として独立したら、どんな方法で案件を獲得していけばいいのでしょうか?

案件を獲得する5つの方法を紹介します。

  1. 人脈を活かす
  2. 過去の取引先にコンタクトを取る
  3. エージェントサービスを利用する
  4. 求人サイトを利用する
  5. クラウドソーシングサイトを利用する

人脈を活かす

実際に会社で営業を経験したことがあればわかるはずですが、営業マンにとってこれまでに築いてきた人脈は宝です。

フリーランス白書2022によると、フリーランスの32.9%が最も収入を得られる仕事をみつけたきっかけとして「人脈」を挙げています。

主な収入源となっている職業

引用元:フリーランス白書2022

ほかの職種でも人脈は大切ですが、とくに営業代行は「人と人」のつながりが重視されやすく、人脈によって案件を得られるケースが多い職種です。

元上司や元同僚、友人・知人、学校の同級生や同期生など、あらゆる人脈がチャンスへとつながると心得ておきましょう。

フリーランス同士のオンラインコミュニティやオフ会などにも積極的に参加しておけば、ビジネスチャンスを広げる出会いに遭遇できるかもしれません。

過去の取引先にコンタクトを取る

フリーランス白書2022によると、人脈と同じくらい重視されるのが「過去の取引先」でした。

最も収入が得られる仕事をみつけたきっかけの調査では、現在もつながりのある取引先を含めて過去の取引先を挙げたフリーランスは30.9%にのぼります。

過去の取引先から「あの人なら何とかしてくれる」という厚い信頼を得ていれば、現在直面している営業の問題を解決するために改めて依頼されるといった流れになることもあるでしょう。

取引先の系列会社や取引先などを紹介してもらえる可能性もあるので、フリーランスに転向したらコンタクトを取って独立を報告しておきましょう。

エージェントサービスを利用する

自分で営業代行の案件を獲得するには、まずクライアント企業に対して自身を売り込む営業をかける必要があります。

ところが、営業代行を欲している企業を自分で探すのは難しいので、目星もないのに営業をかけても空振りに終わる可能性が高いでしょう。

そこでおすすめしたいのが、営業代行の案件を取り扱っているエージェントサービスの利用です。

エージェントサービスを利用すれば、業界に詳しいコーディネーターが、スキルや条件に照らしてフリーランスと営業代行を欲している企業を結びつけてくれます。

営業代行を専門に扱っているエージェントサービスはいくつかありますが、そのなかでも案件数が多いkakutokuやside bizzなどがおすすめです。

営業代行のエージェントサービスには、各サービスによって特色があります。

たとえばkakutokuなら全件が固定報酬型で安定した収入を実現できる、side bizzならビジネスマンの副業としての案件紹介に強いなどの差があるので、複数のエージェントに登録して比較し、自分のスタイルにあったものを選びましょう。

求人サイトを利用する

求人サイトに掲載されているのは正社員としての募集がメインですが、営業職についてはフルコミッションの業務委託契約というかたちで掲載されている情報もあります。

フルコミッションの正社員は法的にトラブルを招きやすいので、フリーランスを対象に情報を掲載していると考えていいでしょう。

たとえばindeedで「営業代行 業務委託」というキーワードで検索すると、2023年5月時点で約11,856件の案件がヒットします。

営業代行 業務委託の求人

引用元:営業代行 業務委託の求人 | Indeed (インディード)

これらの多くがフリーランス向けの求人情報なので、案件探しをしている最中なら求人サイトにも目を向けてみるのも一案です。

クラウドソーシングサイトを利用する

ランサーズクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトでも営業代行の案件が公開されています。

たとえばランサーズで「営業代行」というキーワードで検索すると、2023年5月時点で3,280件がヒットしました。

営業代行のフリーランス案件

引用元:フリーランスの仕事・求人を探す【ランサーズ】

クラウドソーシングサイトとエージェントサービスとの違いは、自分自身で案件を見つけて応募しなくてはならないという点です。

気になった案件があれば自由に応募できますが、スキルの提示、単価交渉などの商談、契約などにかかる作業はすべて自分で進める必要があります。

また、クラウドソーシングサイトで公開されている営業代行の中心はネットショップ運営の代行やフリマサイト運営代行など、時間に余裕があるので小遣い稼ぎ程度の仕事をしたい主婦層をねらったものが多いのが実情です。

しっかり探せば優良案件も掲載されていますが、なかには情報商材へ誘導するものや、運営代行をうたっていても「自分のクレジットカードで海外ブランドの商品を買い付けてクライアント指定のアカウントで出品する」といった営業とは名ばかりの案件も存在するので注意しましょう。

フリーランスの営業代行として独立するなら覚えておきたい5つの注意点

これまでの営業経験を活かして収入アップを図るなら、フリーランスの営業代行としての独立は大きなチャンスになります。

ただし、フリーランスは個人事業主という立場であり、みずからがビジネスの責任を負うので、失敗しないように万全の備えが必要です。

フリーランスの営業代行として独立するなら覚えておきたい注意点をまとめていきます。

1.契約条件を隅々まで確認する

フリーランスの営業代行は、クライアントと業務委託契約を結んで仕事を受注することになります。

契約の際はかならず契約書を交わしますが、契約書の隅々まで目を通して契約条件を確認しておきましょう。

とくに、成果報酬が発生する形態の場合は「なにをもって成果とするのか?」という点をしっかり確認しておかないと、仕事をしたのに報酬を支払ってもらえないといったトラブルに発展するおそれがあります。

「アポ取りまで」でいいのか、それとも「成約までお願いしたい」と求められているのかによって業務内容も大きく異なるので、齟齬が生じないように契約条件を確認してください。

契約書の表現がわかりにくかったり、あいまいであったりする場合は、担当者に相談したうえで回答を求めましょう。

必要に応じて、契約書の修正や作成替えを求めたほうがいいかもしれません。

フリーランスの契約書について詳しくみる

2.独立前に資金を貯めておく

会社を辞めてフリーランスの営業代行に転向しても、いきなり案件が得られるとは限りません。

案件を得られても、十分な実績がないとクライアントが「まずはコンパクトな案件を任せて様子をみたい」という姿勢になり、高額の案件を任せてもらえないといった事態になることも考えられます。

しばらくは十分な収入を得られないかもしれないと見越して、独立前にある程度の資金を貯めておいたほうが安全です。

3.開業に必要な届出を済ませる

営業代行の仕事を始めるにあたって、特別な資格や届出は必要ありません。

ただし、個人事業主として開業する際は税務署への「個人事業の開業届」の提出が必要です。

また、税制上の優遇措置を受けられる青色申告を選択するには、やはり税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。

いずれも期限が定められているので、提出漏れがないように気を付けておきましょう。

もっとも、開業届については期限に遅れたからといってペナルティはないので、ほかの準備に手を取られて提出を失念していたとしても後日提出すれば問題はありません。

4.守秘義務や競業避止義務などの違反を犯さないよう気を付ける

営業代行の契約では、守秘義務や競業避止義務を課せられるケースが多くなります。

守秘義務とは業務で知り得た情報を外部に漏洩しないこと、競業避止義務とはクライアントと競合する同業他社との取引をしないことという意味で、どちらもクライアント企業を守るという点で重要な契約です。

いずれも誠実に業務を遂行していればとくに問題になることはありませんが、複数のクライアントと同時に契約を交わす場合は注意を払う必要があります。

うっかり他社の情報を口にしてしまう、重要な資料をメールやチャットで誤送信してしまう、競合していると知らずに契約を交わしてしまうなどのミスがあると、契約解除だけで済まされず、損害賠償請求を受ける危険もあると覚えておきましょう。

5.確定申告や節税についての知識を学んでおく

フリーランスになると、毎年の所得を申告して所得税を納めなくてはなりません。

会社員のころから副収入を得ていた人を除けば確定申告はほとんど無縁だった人も多いはずなので、難しい・面倒といったイメージが先行するでしょう。

確定申告をするためには、収入額だけでなく事業にかかった経費の記録・計算なども必要です。

どんな支出が経費として認められるのか、どんな控除を利用できるのかなどの知識がないと、節税も実践できず高い所得税を納めることになってしまいます。

フリーランスが手取り収入を増やすためには節税が欠かせないので、独立前に最低限の知識をつけておきましょう。

まだ知識が足りないと感じているなら、フリーランス向けの確定申告講座や節税講座といったセミナーには積極的に参加することをおすすめします。

フリーランスの確定申告について詳しくみる

さいごに

会社員時代に培った営業スキルや人脈は、フリーランスの営業代行になったあとでもかならず活きます。

どんな業界に移ってもそれまでに培ってきた経験が役立つというのが、営業職の強みでしょう。

まだライバルが少ない今こそが、フリーランスの営業代行に転向する好機です。

自由な働き方や収入アップの実現を目指して、あらゆるスキルや人脈を駆使しながらフリーランスへの転向を成功させましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • タグアイコン