フリーランス・個人事業主におすすめのクレジットカード|カードの種類と審査に通過する条件
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いまやネット通販やサービスを利用するためにはクレジットカードが必須の時代です。
ビジネス・プライベートを問わずクレジットカードを使うシーンは多いので、今すぐ使う必要がないとしても1枚はもっておいて損はありません。
ここで心配になるのが「フリーランスでもクレジットカードを作れるのか?」という点です。
クレジットカードを申し込むとかならず審査がおこなわれるので、フリーランスだと審査で不利になり、クレジットカードを作れないのではないかと不安を感じている方も多いでしょう。
フリーランスがクレジットカードをもつべき理由や審査に通過するための条件、フリーランスでも作りやすいクレジットカードブランドなどを紹介します。
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溝口 弘貴
つなぐマーケティング代表
電気工事士からWeb業界に転職して10数年。現在はフリーランスとしてクライアントサイトのマーケティング支援や自社メディアの運用などをおこなっています。ネットマーケティング検定やIMA検定などIT関連の資格を8つもっています。運営者情報はこちら
本記事でわかること
フリーランスでもクレジットカードを作れる?
クレジットカードを申し込む際にはかならず住所・氏名などの個人情報に加えて職業・勤務先・年収といった情報も申告することになります。
収入が不安定で会社に雇われていないフリーランスだと明かせば、審査で不利となるのは当然のことです。
とはいえ、フリーランスだからという理由でかならず審査落ちしてしまうと考えるのは間違いです。
フリーランスや個人事業主をターゲットにしたブランドを選べば、フリーランスでもクレジットカードを作れます。
フリーランス向け・ビジネス特化型のカードなら審査に通過できる可能性は高い
クレジットカードの審査に有利なのは、定まった勤務先から毎月決まった日に給料が支払われる会社員や、勤め先が絶対に破綻せずよほどのことがなければ自ら退職することもない公務員など、収入が安定している人です。
フリーランス・個人事業主は収入に波があるので、会社員や公務員と比べると「審査に落ちやすい」といわれています。
不公平に感じるかもしれませんが、相手を信じて商品などの代金を立て替えたり、お金を貸したりするカード会社の立場を考えれば当然でしょう。
ただし、フリーランスという新たな働き方が広く浸透し、政府主導でフリーランスを保護する法制度が整備されている現状をみれば、もはやフリーランスは「信用できない相手」とはいえなくなりました。
このような社会の変化を受けて、多くのクレジットカード会社がフリーランス向け・ビジネス特化型のカードを発行しているので、以前に比べるとフリーランスでも審査に通過できてクレジットカードが作りやすくなっています。
フリーランスなら「クレジットカードは使わない派」でも作ったほうがよい
借金をしたくない、クレジットカードは怖いといったイメージがあるなどの理由から「クレジットカードは使わない派」の人も一定数存在しています。
たしかに、すべて現金支払いで済ませていれば、返済期日に追われたり、利息を負担したりといったリスクは避けられるので、不必要なクレジットカードを作らないという選択は賢明です。
ただし、フリーランスとしてビジネスを進めていくためには、たとえ個人的に「クレジットカードは使わない派」であるとしてもビジネス必携のアイテムとしてクレジットカードを作っておくことをおすすめします。
支払いや経理・記帳の手間を省略できるうえに、一時的に資金繰りが苦しいときも頓挫せずに済むので、とくにフリーランスとして独立したばかりのタイミングでは大きな助けになるはずです。
クレジットカードの種類|法人カードとは?
クレジットカードには目的に応じた種類があります。
フリーランスがクレジットカードをもちたいなら、クレジットカードの種類を正しく理解しておいたほうがいいでしょう。
クレジットカードには個人用と法人用がある
クレジットカードには、個人向けの「個人カード」とビジネスマン向けの「法人カード」があります。
- 個人カード:個人のプライベート利用が目的、消費者が利用しやすいサービスが設定されている
- 法人カード:事業者のビジネス利用が目的、ビジネス利用に特化したサービスが用意されている
フリーランスがビジネス目的でクレジットカードをもつなら「法人カード」です。
法人カードといっても「法人化している会社専用」という意味ではなく「ビジネス向けのカード」という意味なので、フリーランスも対象に含まれます。
法人カードの種類
法人カードには、さらに「ビジネスカード」と「コーポレートカード」という区別があります。
- ビジネスカード:個人事業主や小規模の会社向け
- コーポレートカード:中規模~大規模の会社向け、おおむね従業員20名以上が基準
どちらを選んでもクレジットカードの機能自体に大きな差はありません。
コーポレートカードのほうが利用限度枠や追加カードの枚数制限が大きく設定されていますが、フリーランスなら法人の信用情報だけでなく代表者個人の信用情報も審査対象になるビジネスカードのほうが作りやすいでしょう。
法人カードの注意点
法人カードは個人カードと比べて審査項目が多いといわれています。
審査項目が多くなる分、あらゆる情報が影響するため審査に通過できる可能性が低くなるのは間違いありません。
もし法人カードの審査に不安があるなら、個人カードの申請を考えるのもいいでしょう。
法人カードの多くは年会費がかかりますが、個人カードでは年会費無料のものが多いので、経費の節約につながります。、
また、法人カードの多くは分割・リボ払いが使えず原則1回払いで、個人カードのようにキャッシング枠もありません。
分割・リボ払いやキャッシングの利用も想定しているなら、法人カードだけでなく個人カードをあわせてもつことをおすすめします。
フリーランスが法人用のクレジットカードをもつべき6つの理由
クレジットカードはフリーランスのビジネスを円滑にしてくれる重要なアイテムです。
ビジネスで有効活用したいなら、個人カードよりも法人カードをもったほうがいいでしょう。
フリーランスが法人カードをもつべき理由を挙げていきます。
- 支払いの手間が減る
- 法人用のクレジットカードは利用限度額が高い
- ビジネスの支出とプライベートの支出を簡単に仕分けられる
- ビジネス向けの付帯サービスが利用できる
- 追加カードの発行も可能
- 年会費は必要経費として計上可能
1.支払いの手間が減る
クレジットカードがあれば、面倒な支払いの手間が大幅に減ります。
現金の用意、口座振り込み、払込票によるコンビニ支払いなどの手間がカードの提示だけで済むのは大きな魅力です。
手元に現金がなくても支払い可能なので、ビジネスチャンスも逃しません。
2.法人用のクレジットカードは利用限度額が高い
一般的に個人用のクレジットカードの利用限度額は50万~100万円が設定されています。
少々高額なものでも、プライベートでの利用ならこの程度の限度額で十分対応できるはずです。
しかし、ビジネスシーンにおいては50万~100万円を超える支払いもたびたび訪れるので、個人カードでは対応できないかもしれません。
法人カードは200万円以上の設定が可能なものが多いので、一時的に大きな支払いが発生した場合も安心して決済できます。
3.ビジネスの支出とプライベートの支出を簡単に仕分けられる
個人所有のクレジットカードで仕入れやビジネスの支出を決済していると、利用明細が発行されたあとでプライベートとビジネスの支出を仕分ける必要があるので、経費計上の手間が増えて間違いも起きやすくなります。
すでにプライベートでクレジットカードを持っていても、法人用として新たにクレジットカードを作ったほうが安全です。
4.ビジネス向けの付帯サービスが利用できる
法人カードには個人カードにない付帯サービスが用意されています。
- 決済した経費の明細データ提供サービス
- 出張の際の交通機関や宿泊施設の手配サービス
- オフィス用品に対する保険サービス など
いずれもフリーランスのビジネスを助けてくれるサービスです。
フリーランスは本来の業務だけでなく事務作業や経理といった裏方仕事もすべて自分の手でやらなけれなならないので、法人カードの付帯サービスを上手に活用して負担を軽くしましょう。
5.追加カードの発行も可能
法人カードなら、従業員に持たせるための追加カードの発行が可能です。
個人カードでも「家族カード」として追加発行が可能ですが、こちらは家族しか使えないので従業員に渡せば不正利用になってしまいます。
従業員にクレジットカードを持たせることができれば事後精算も不要になるので、会計業務の負担は大幅に軽減できるはずです。
6.年会費は必要経費として計上可能
法人カードの年会費は必要経費として計上可能です。
節税効果としては小さいものの、あらゆる経費を漏れなく計上することで手元に残るお金が増えるのだから決して無視できません。
個人カードをビジネス利用している場合でも年会費の経費計上は可能です。
ただし、プライベートでも利用しているなら年会費を「按分」する必要があるので、法人カードを作って明確に仕分けておいたほうが経理作業が簡単になります。
フリーランスが経費にできるもの・できないものついて詳しくみる
フリーランスがクレジットカードを作るベストなタイミングとは?
これからフリーランスとして独立する予定がある場合、クレジットカードはフリーランスとして独立したあとに作ったほうがいいのか、独立に先立って作ったほうがいいのか、悩む方が多いはずです。
フリーランスがクレジットカードを作るベストなタイミングはどちらなのでしょうか?
会社員がフリーランスになるなら転職前がおすすめ
一般的に、カード審査は勤続年数や収入の安定性を重視する傾向があります。
フリーランスに転向すると、たとえ会社員の頃より収入がアップしても勤続0年なので、審査において不利になるのは確実です。
これからフリーランスに転向する予定がある場合でも、まだクレジットカードをもっていないなら最初の1枚は転職前に作っておいたほうがいいでしょう。
この場合は個人カードを作ることになるので、経営が軌道に乗ったタイミングで法人カードに切り替えるのがおすすめです。
フリーランスになったらカード会社に連絡するべき?
どのクレジットカードでも、規約に「変更事項がある場合は遅滞なく届け出する」よう記載があります。
届出を怠ったり、そもそも届出が必要であることを知らなかったりする人が多いようですが、支払いの遅延などが生じたタイミングで「実は会社を辞めてフリーランスに転向していました」と明かすと不利な扱いを受けるかもしれません。
これまでに支払いの遅延などがなければ転職したからといって再審査されるケースは少ないので、転職前にカードを作った場合はカード会社に連絡してフリーランス転向を伝えたほうが安全です。
フリーランスがカード審査に通過するための条件
クレジットカードを申し込むと、かならず審査がおこなわれます。
カード審査の基準は明かされていませんが、フリーランスでも審査通過の可能性を高めるポイントがあるので、しっかり確認しておきましょう。
- 過去にクレジットカードなどの支払いで遅延していない
- 短期間で複数社にカード発行を申し込んでいない
- フリーランスとしての実績が収入によって証明できる
過去にクレジットカードなどの支払いで遅延していない
カード審査を申し込むと信用情報機関に代表者個人の返済履歴などの情報が照会されます。
過去にクレジットカードの返済で支払いを遅延していたり、サラ金などを未払いのままで放置していたりすると、審査で不利になり、カード発行を断られてしまうかもしれません。
最近では、携帯電話料金の支払い遅延、スマホの後払い決済の未払いなどが問題となるケースも多いので注意が必要です。
短期間で複数社にカード発行を申し込んでいない
信用情報には審査履歴も記録されます。
短期間で何社もカード発行を申し込んでいると「何か問題があるのではないか?」と疑われるかもしれません。
カード審査に不安があるからといって複数社に申し込むのではなく、どのカードを申し込むかしっかり絞り込むことが大切です。
フリーランスとしての実績が収入によって証明できる
すでにフリーランスとして稼働し始めて年数が経っているなら、確定申告書などを収入証明として提示できます。
経営が上向き、あるいは横ばいで安定していることが収入から証明できれば、フリーランスでも審査通過の可能性は高まるでしょう。
フリーランスでも作りやすいクレジットカード3選
フリーランスがクレジットカードを作りたいなら、どのブランドのカードを申し込むのかが大きなポイントになります。
フリーランスでも作りやすいクレジットカード3つを紹介しましょう。
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ
- 楽天ビジネスカード
- JCB CARD Biz
三井住友カード ビジネスオーナーズ
SMBCグループの三井住友カードの「ビジネスオーナーズ」は、満20歳以上の個人事業主や法人代表者向けクレジットカードです。
年会費は永年無料、利用枠は最大500万円、JRきっぷや航空券の手配サービスも利用できるので、フリーランスのビジネスを強力にサポートしてくれます。
起業したばかりのフリーランスでも作れるので、法人カードの最初の1枚としてもおすすめです。
【参考サイト】三井住友カード ビジネスオーナーズ|三井住友カード
楽天ビジネスカード
すでにプライベートで楽天プレミアムカードをもっているなら、付随カードとして「楽天ビジネスカード」の発行が可能です。
楽天カードは2022年9月時点でカード発行枚数は2,751万枚を数える最大手ブランドなので、プライベートで楽天カードを利用している人も多いでしょう。
プライベート用の楽天プレミアムカードをもっていないと発行できない、限度額は最高300万円が設定されているものの楽天プレミアムカードと合算されるといったデメリットはありますが、楽天カードユーザーならこれまでの利用履歴で問題がない限りほかの法人カードよりも作りやすいので、こちらも最初の1枚としておすすめです。
【参考サイト】楽天ビジネスカード|楽天カード
JCB CARD Biz
「JCB CARD Biz」はフリーランス・個人事業主向けとして特化したクレジットカードです。
ビジネスカードにはめずらしく分割払い・リボ払いの設定も可能なので、資金繰りが苦しい時期でも無理のない支払いを実現できます。
会員専用WEBサービス「MyJCB」にアクセスすれば過去15か月分の明細データをダウンロードできるので、会計ソフトにデータを取り込めば帳票作成の負担も大幅に軽くなるでしょう。
【参考サイト】JCB CARD Biz|JCBカード
カード審査に落ちてしまった!その後の対策は?
クレジットカードを申し込んだところ、残念ながら審査に落ちてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
- 審査に不利な借金などを整理する
- 開業届を提出する
- 固定電話を契約する
- 固定電話を契約する
1.審査に不利な借金などを整理する
どのカード会社も「なぜ審査に落ちたのか」は説明してくれませんが、他社で大きな借金をしていたり、遅延・未払いがあったりするなら、審査に不利な影響を与えた可能性が高いでしょう。
まずは過去の借金や遅延・未払いを整理したうえで、少し時間をおいて再チャレンジすれば審査に通過できるかもしれません。
2.開業届を提出する
フリーランスになっても税務署への開業届は義務ではありませんが、開業届を提出していることは信用の向上につながります。
審査に伴って提出する書類として開業届の写しを添付すれば、経営の実態があると評価されて審査に有利な影響を与えるでしょう。
3.固定電話を契約する
カード審査を申し込む際は、連絡の取れる電話番号が必須です。
申込書や申し込みフォームに記載する事業用の電話番号は、携帯電話よりも固定電話のほうが信用を得やすいので、再審査までに固定電話を契約したほうがいいかもしれません。
4.デビットカードを活用する
どうしてもクレジットカードを作れなかった場合は、デビットカードで代用するのも解決策のひとつです。
カードにひもつけられている銀行口座からの即時引き落としになるので残高以上の決済はできませんが、クレジットカードが使える実店舗での決済やネット決済などカード番号が必要なシーンではクレジットカードの代わりになります。
金融機関のサイトから口座明細のデータをダウンロードして会計ソフトに読み込めば、法人カードと同じように記帳の手間を軽減できるはずです。
さいごに
フリーランスは経済的な信用の面で会社員や公務員よりも弱い立場です。
クレジットカードの審査は会社や個人の信用を重視するため、フリーランスは不利な扱いを免れられません。
とはいえ、クレジットカードはフリーランスのビジネスを強力にサポートしてくれる重要なアイテムなので、最低でも1枚は作っておきたいところです。
フリーランスや個人事業主向けに発行しているクレジットカードブランドも存在しているので、まずはフリーランスとして独立する前に個人カードを作っておき、独立後は法人カードに切り替える、あるいはシーンに応じて両方を上手く使い分けるようにしましょう。
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